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明治時代に長崎県で暮らしていた華僑の料理人が中華料理をベースにして生み出したと言われる「ちゃんぽん」。出前の際に汁がこぼれてしまう点を改善するために工夫したのが皿うどんの原点であると伝えられている(諸説あり)。
「ちゃんぽん」と並ぶ、長崎県の代表的な料理「皿うどん」。鎖国期にあっても海外との交流が盛んで、食材や食文化が豊かだった長崎県だからこそ、生まれた料理ともいえる。今回、「皿うどん」を教えていただいたのは、長崎県在住の大塚静子さん。まず、生の極細麺を油で揚げておく。フライパンに油を引き、豚肉・玉ねぎ・キャベツ・えび・いか(またはいかげそ)・長崎のはんぺんの順に加え、塩・こしょうをしながら炒め、酒と中華スープ(豚骨ベース)を加えて煮立たせる。火を止め、片栗粉と水を1:1で溶き合わせたものを加えてから再び火を通したら、あんのできあがり。揚げた麺にたっぷりとかけて、完成だ。
さて、この「パリパリとろ〜ん」の食感が楽しいあんかけ料理を、今回、さっぱりさせてみよう。フライパンに油を温め、極細麺を両面カリッと焼いて取り出したら、そのまま豚肉を炒めて取り出す。油を加えて、なすを両面じっくり焼いて取り出し、玉ねぎ・キャベツ・いかげそ・えびの順に加え、塩・こしょうをしながら炒める。豚肉となすをフライパンに戻し、最後にトマトを加え、軽く炒め合わせる。そこに[A]を加えて煮立たせ、火を止めてから水溶き片栗粉を回しかけ、再び加熱。皿に盛った麵にあんをかけ、刻んだ青じそをのせたらできあがり。麺を揚げず、カリッと焼くのもさっぱりさせる秘訣だ。そして、味変にはゆずこしょうがぴったり。料理好きの静子さん、こんなレシピはいかがでしょう?
●材料(2人分)
[A]
鶏がらスープ (顆粒)大さじ1
水 150㎖
濃口醬油 大さじ1/2
酒 大さじ1
みりん 大さじ1
極細麺 (生)200g
なす 2本分(厚めの輪切り)
豚小間切れ肉 100g(塩・こしょうをしておく)
玉ねぎ 1/4個分(くし形切り)
キャベツ 1/8個分(ざく切り)
いかげそ 50g
むきえび 50g
トマト 中1個分(くし形切り)
青じそ 4枚
サラダ油 約大さじ3
片栗粉 小さじ2
水 大さじ1
塩・こしょう 各適宜
長崎では「ちゃんぽん」から「皿うどん」に変貌を遂げる際、「ちゃんぽん」の麺だと太すぎて揚げるのに時間がかかるため、現在の細麺が主流になったという。静子さんが作る「皿うどん」には、地元の『三栄製麺』の極細麺が欠かせない。あんがしっかりからんで、抜群においしいそうで、著者も早速、独特の食感がある長崎県のはんぺんとともに取り寄せてみた。静子さんに教わった方法で調理したところ、確かに具と麺がうまくからんで食べやすい。練りがらしや『金蝶ソース』で味変させると、また違ったおいしさ! 「皿うどん」は静子さんの息子さんの大好物で、今は神奈川県に住んでいる息子さん宅を訪れる際は、事前に長崎から送っておいた「皿うどん」の材料を使って作るのだそう。翌日、余った麺とあんをフライパンで炒め合わせて食べるのもまた味わい深いのだとか。
広告や雑誌などでフードスタイリングを手がける。写真の上に食品をのせ、撮影するシリーズ作品「Food On A Photograph」プロジェクトではN.Y.と東京の2都市で展示を開催した。
初出:2023年7月1日発行『AdvancedTime』17号。掲載内容は原則的に初出時のものです。
STAFF
Photo & Text: KAORU
Editor: Yuko Saito
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