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時計のトレンドは小さく、薄く、軽くがトレンドとなっている。そのすべてに影響を及ぼすのがケース素材だ。今年のW&Wではどんなケース素材に注目が集まったのかをご紹介していこう。
防水性能が最命題であった時計のケースに、デザイン性や、軽さ・薄さも求められるようになったのは最新のトレンド。現在ではその課題をクリアするために、多くの素材が登場し、各ブランドでの激戦分野となっている。今年のウォッチズ&ワンダーズではチタン製ケースが目立った。これまでは本命モデルの変化球といった存在であったが、今年は堂々とフラッグシップモデルでチタンケースを“押し”のポイントとしているブランドが多い。またこれぞと決めた素材に注力するブランドも面白い。技術の蓄積で生み出した自由な発想がウォッチメイキングの幅を広げている。今回はケース素材に注目して個性的な時計をご紹介する。
セラミック製ケースの名手であるシャネルは、ブラックセミラックとホワイトセラミックのコンビネーションでデザイン性の高い時計を発表。新作の「J12 サイバネティック」も前衛的なアシンメトリーなケースデザインが特徴だ。
9時位置側のブラックセラミックをメインに、3時位置側にはホワイトセラミックを組み合わせた「J12 サイバネティック」。3時位置側は加工の難しいホワイトセラミックをギザギザのピクセル調にカットし、左右非対称のケースデザインに仕上げた。ブラックとホワイトのドットが混在するダイヤルとベゼルは、ブラックラッカーとホワイトニスを使い分けた幾何学的なダイヤルデザインも斬新だ。
ムーブメントは最新型のCal.12.1を搭載しており、スペック面においても上位モデルとなっている。このムーブメントはシャネルが出資している新鋭のムーブメントメーカーのケニッシ社製だ。
自社内に素材の研究&開発の部署を設けるウブロは、新素材分野で最前線を陣取る。新作の「ビッグ・バン インテグレーテッド トゥールビヨン フルカーボン」はカーボンファイバーにテキサリウムを融合させたケース&ブレスレットモデルだ。
テキサリウムとはグラスファイバーにアルミニウムを蒸着させたもので、カーボンファイバーよりも堅牢で傷つきにくく、繊維由来の美しい外観が特徴。この素材を採用してケース&ブレスレットの統合型ウォッチにまとめ上げた。とりわけブレスレットは小さいパーツの複合体のため特に加工が難しいが、リンクひとつひとつ丁寧に仕上げ、その結果、ブレスレットを含めても重量わずか68gという驚異の軽さを実現している。
オープンワークのダイヤルには、6時位置のサファイアクリスタル製ブリッジで支えられたトゥールビヨンと12時位置のマイクロローターを上下で対になるように配置。2つのパーツがダイナミックに回転し、ダイヤルを華やかに演出する。
毎年ブロンズダイバーの限定モデルが登場するベル&ロスに、ホワイトダイヤルが登場。定番カラーとのありそうでなかった意外性のある組み合わせだ。
ブロンズはかつて潜水夫がヘルメットに使用していた素材で、年を重ねるほど風合いが増し、持ち主の手に馴染んでいく。これまではブロンズの独特な色味に合わせて濃色のダイヤルカラーを発表してきたが、今作では淡色でアイボリーがかったパールホワイトを採用した。デザイン性の高さはもともと定評があるので、ベーシックなホワイトダイヤルは街での普段使いで大いに活躍しそうだ。
BR 03はスクエア型のスリーピース構造のケースで、四隅をビスで止めた裏蓋のない構造。防水性には不利な条件が揃うが、ベル&ロスは加工精度を上げることで、約25%の安全域を加えた300m防水のダイバーズウォッチを実現。ブロンズがクラシカルな素材なので、ビンテージ感の演出にも最適だ。
伝説の時計師の名を冠し、2015年に復活したチャペック。名門が居並ぶウォッチズ&ワンダーズに出展し、新モデル「アンタークティック・チタニウム ダークセクター」を発表。今年は多くのブランドで見られるチタン製ウォッチだ。
いわゆるラグジュアリースポーツウォッチ人気の時流に乗って、ケース&ブレスレット一体型の「アンタークティック」コレクションはブレイクを果たした。現在でも生産が追い付かず3年待ちの状況が続いている。今年はその人気モデルにフルチタンが登場。ダイヤルには2重のトラックが植字されていて、5分ごとに溝を作ることで古典的なセクターダイヤルのようなデザインを演出する。チタン製のケースとブレスレットはサテン仕上げを丁寧に施し、グレーダイヤルの組み合わせで上品に仕上げた。ムーブメントには懐中時計を思わせる7つのブリッジを備えたキャリバーSXH5を搭載する。
レーシングチームで培った技術力を時計製造に生かすべく設立されたレべリオン タイムピース。新作の「リ・ボルト スリーハンズ カーボンカラーズ」もモーターレースからインスパイアされた時計だ。
軽くて頑丈なカーボンは、レーシングカーのボディでもよく採用される素材。その経験を生かし、さまざまな色が混ざり合ったカーボン製の時計ケースを開発している。粉末のカーボンにエポキシ樹脂を混ぜた後に、着色顔料を加えるのだが、顔料が多いと強度が保てなくなる。そこでカーボン繊維を加えて剛性を確保するフォージドカーボンとした。
レーシングカーのコックピッドをイメージした「リ・ボルト」は、エアロダイナミックなケースフォルムにレッド、グレー、ブラックの色が混ざり合ったカーボンケースでスポーティに仕上げた。このレッドの色合いが際立つ「Re-Volt Zhou Guanyu C43」のほかに多彩なカラーを展開。オープンワークで仕上げたダイヤルは立体的な造形美を際立たせ、レーシーな気分を盛り上げてくれる。
STAFF
Writer: Katsumi Takahashi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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