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極上の上海蟹が一年を通じて味わえると、世界中の食通を魅了している「蟹王府(シェワンフ)」。日本には2020年12月に上海蟹専門店として初上陸し、最高の上海蟹が食べられると話題に。最近では、上海家庭料理のメニューが登場し、新たな魅力も加わっている。今回は、アラカルトメニューから初夏に味わいたい逸品をいくつかご紹介しよう。
濃厚な味わいが魅力の上海蟹料理が味わえることで知られる、東京・日本橋の「蟹王府 日本橋店」。この春からは、上海家庭料理のアラカルトメニューが加わり、その魅力がパワーアップした。
上海は、かつて諸外国の占領下にあったという複雑な歴史を持つ土地ゆえに、料理も独自に発展を遂げている。上海の家庭料理は、海老や淡水魚を使った料理や、甘く濃厚な味わいが特徴だ。
同店で味わえるメニューは、いずれも上海家庭料理をベースにしながらも、厳選された食材を使って丁寧に下ごしらえし、使う油は最低限にするなど、さまざまに技と工夫を施し進化した味わいとなっている。
オードブルに最適なのが「潮州式活牡丹海老/潮式生腌牡丹蝦」。卵を持った50g前後のメスの活きた牡丹海老を、魚の汁、醤油、辣油、にんにく、トウガラシなどを合わせた特製の調味液に漬け込んだひと品。食べたものはたちまち虜に。
また、「舌平目とナズナの獅子頭/春味獅々」は、イシモチを3時間ほど煮込んでとった上品なスープに、舌平目とナズナを合わせ、蒸した団子を浮かべてある。味付けは塩のみとシンプルであるが、コクのある味わい深いスープは、一口味わうごとに心身ともに癒される。白身魚のよさを引き出し、旬の青菜を加えた団子も滋味深い。
イカとセリを広東風に強火で炒め、ホワイトとグリーンのコントラストが食をそそるのが「烏賊とセリの強火炒め/芹香爆花枝卷」。細かく飾り包丁を入れたイカの食感がよく、脂っこさは微塵も感じられない。セリ特有の香りが季節を感じさせ、青唐辛子がピリリといいアクセントになっている。
そして、「鮑・太刀魚・才巻海老・牛舌の江南式酒粕ソース仕立て/江南糖四宝」は、贅沢なひと品。黄酒(紹興酒など)とその酒粕(香糖)や香辛料を加えた調味料に、四宝(アワビ、タチウオ、才巻海老、牛舌)を漬け込んだ、江南地方の名物料理だ。
ほかにも、香ばしさとスパイスのあいまった絶妙な旨さでつまみにぴったりな「川海老の揚げ炒め」や、ご飯とともに味わいたい「東坡肉(トンポーロウ)」などラインアップは幅広い。どこか懐かしさを感じさせる味わいのメニューが多いのも特徴だ。
カジュアルながらも洗練された“蟹王府スタイル”の上海家庭料理の数々は、親しい人たちと集い、あれこれオーダーしてシェアして楽しむのがいい。美しい姿の料理ゆえ、小宴にも向いている。
蟹入り小籠包や春巻きなど、上質な上海蟹の旨みが味わえる点心なども盛り込めば、蟹王府ならではの味を存分に堪能できる。
■締め切り:2023年6月25日(日)23:59まで
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STAFF
Writer: Fukuko Hamada
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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