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そんな思いの一端を表現するための強力な存在として今回、上陸してきた「アベンジャー」だが、実車は日本仕様ではなく左ハンドルの欧州仕様。さらにお披露目だけと言うことで、ディーラーの方々も含め、残念ながら我々にも試乗の機会はなかった。しかし、撮影のために、わずかな距離ではあったが移動は可能だった。そこでは実際の作動感や操作性の良さを少し味わうことが出来た。
そしてデザイン。ジープブランドのサイズ分けでは、レネゲードと同じ“スモール”に入る大きさとはいえ、ラングラーやグランドチェロキーといったラージサイズ同様にフロントマスクの7スロットグリルは健在。ジープブランドとして存在感を全身でアピールしている辺りは、むしろ可愛らしくもあるが、黒と言うボディカラーもあってか引き締まったシャープな印象で、かなりスタイリッシュに見える。こうした日本や欧州で使いやすいサイズも当然ながら北米では、まさにスモールカー扱いである。そのために「アベンジャーはアメリカ本国での販売予定はありません(マーケティング部渡邊氏)」という。
そんな扱いやすそうなボディを引っ張るモーターはフロントに搭載され前輪を駆動する。出力は115Kw(156ps)、最大トルク255Nmを発生し、スペック的には問題なさそうである。さらに容量50kWhのバッテリーがフロア下に搭載され、一充電あたりの走行距離はWLTPサイクルで400kmを可能にしている。
マーケティング部のブランドマネージャーの新海宏樹氏は「今回のアベンジャーは電動化に向けてのジープとして意気込みを表す第一弾としての象徴とも言える存在です。それに引き続き2025年に本格的な「オフロード性能を持ったリーコン、2026年にはコードネーム、ワゴニアSというミッドサイズの2台のBEVも日本導入を予定しています」という。
そうしたジープブランドへの期待感を大阪府に本社を置く「フォーシーズンズ(株)」のジープ新車販売部、大谷弘貴次長は「BEVということで環境意識の高い方や流行に敏感な方々には支持されると思います。とくにスタイルや大きさから言えば女性ユーザー様の反応が楽しみですね」と、期待感をにじませる。それを証明するかのように、世界45か国64人の女性ジャーナリストが安全性や品質、価格やデザイン、そして運転のしやすさなどを基準に選ぶ「2023年ウィメンズ・ワールド・カー・オブ・ザ・イヤー(WWCOTY)」で「ベストファミリーSUV」に選出された。女性自動車ジャーナリストだけで構成された、世界で唯一のカーアワードグループでの評価は、欧州カーオブザイヤー同様に、願ってもないバックアップとなるはずである。
「アベンジャーはジープブランドをさらに発展させると同時に、ステランティスジャパンがナンバーワンインポーターになるための重要な足がかりとなる1台です」と打越社長。ジープをはじめ、ファッションブランドのごとくの個性派がずらりと揃うステランティスの各モデルから、まずます目が離せなくなりそうである。
主要諸元 | ジープ アベンジャー ※欧州仕様車 |
全長×全幅×全高 | 4,084×1,780×1,530mm |
駆動方式 | FF |
エンジン | モーター |
最高出力 | 115kW(156PS) |
最大トルク | 260Nm(26.4kgf・m) |
一充電辺り走行距離 | 400km(WLTPモード) |
STAFF
Writer: Atsushi Sato
Photos: Koichi Sinohara
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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