タブロイドマガジンAdvancedTimeをお手元に
2025年、国際的なシティガイド・メディア『Time Out』の年次ランキング「世界で最もクールな街」1位に選ばれたのは『本の街』として全国的に知られる東京・神保町(東京都千代田区神田神保町1~3丁目および周辺地域)。多くの出版関連産業が集まる知的集積度の高い、当編集部の“地元”でもある。神保町の魅力をAdvancedTimeが扱うラグジュアリー・ライフの文脈で捉えると、「知的好奇心こそ、人が叶えられる最高の贅沢」というテーゼが導き出せる。の、だが・・・、いったい『本の街』と『贅沢』に何の関係が?と思われる向きも多かろう。そこで、本連載では、神保町に点在する“クール”な場所を訪ね歩くことで、『知的ラグジュアリー』を支える街の魅力を明らかにしていく。欧米系メディアがなぜ「クールな街」と称揚したのか。それは『贅沢』というものの本質に迫ることでもあった。
本の街・神保町で、知的好奇心を満たす vol.2
神保町は本の街、とは言わずもがなだが、神保町はファッションの街、という表現は、ちょっと無理があるのではと多くのご指摘を受けそうだ。ところが近年、そんな言葉を地でいくような、個性的かつ刺激的なファッションの担い手が神保町に増えている。もちろん数的には渋谷や青山、銀座などとは比較にならないかもしれないが、ここ神保町だからこそあり得るショップの形、実現できるスタイルがあるのではないか。そんな視点から、神保町界隈の注目の店舗を紹介していきたい。

2026年の3月にオープンした『MAIDENS SHOP JIMBOCHO(メイデンズ ショップ神保町)』は、神保町界隈での最新かつ最大のファッションヴェニューといえるだろう。地下1階、地上3階の4層の店内には、メンズとウィメンズ、デザイナーズウェアからヴィンテージウェア、靴からアイウェアに至るまで、多彩なアイテムが展開されている。その規模感は、人気店である原宿の『MAIDENS SHOP(メイデンズ ショップ)』を超えるものだ。
『メイデンズ ショップ』を運営するメイデン・カンパニーは、1995年設立。当初は雑貨の輸入販売を行い、その後は欧米ブランドの日本における販売代理店として、『インディヴィジュアライズド シャツ』等数々の人気ブランドを手掛けてきた。その一方で『メイデンズ ショップ』など小売業も展開。『メイデンズ ショップ』はメイデン・カンパニーで輸入を行っているブランドに限らない幅広い品揃えで、セレクトショップとして国内外でその存在が注目されている。

それにしても、なぜ神保町に、これほどの店舗を構えることになったのか。ここに至る起点には、日比谷ミッドタウンの『ウェルメイド バイ メイデンショップ』の存在があったと話すのは、『メイデンズ ショップ神保町』の牧野真也さん。「私は前任者から引き継いで『ウェルメイド バイ メイデンショップ』の仕入れと店舗運営を担当していたのですが、当初始めた内容とだいぶ変わってきていて、来館されるお客さまの嗜好と私たちが扱いたい商品が違ってきているように感じていました。そこで、できることならば商業施設の中ではなく、路面店ができないかと、物件を探し始めたのです」(牧野さん)。

できれば一棟の建物に店舗を構えることで、世界観を訴求したいと思っていたと牧野さん。当初は原宿や渋谷、世田谷などで物件を探し始めたが、条件に合うものは見つからなかった。そんな折、不動産紹介のインスタグラムで、偶然現在入居しているビルを目にする。「探していたエリアと全く違うところでしたが、外観に惹かれて、とりあえず物件を見ることにしたんです。その後何度か神保町を歩いてみて、古書店や小さな飲み屋さんなどにも立ち寄ったりして、街の雰囲気が私のやりたい店のイメージと合っている、と感じました」(牧野さん)。

内装を大きく変えられたことも、この建物を選んだ理由だった。現在主にハイエンドのデザイナーズウェアを展開している地下1階は、乳白色の壁面が印象的な空間に。これは原宿ウィメンズ店舗『MAIDENS SHOP WOMEN』のイメージアイコンである、ジョージア・オキーフのニューメキシコの家から着想されたという。1階の床に敷かれた石材はアメリカ・ペンシルヴァニアから取り寄せたもの。フランク・ロイド・ライト設計で知られる『落水荘』に使われているものと同じ素材で、牧野さんによれば「最もお金をかけたところ」とのこと。またこの1階の木製天井は、アメリカンミッドセンチュリーの建築から連想されている。他方2階と3階は、1960年代に建てられたというこのビルの古さを活かし、スケルトンに近い内装に設え、服の多彩さが際立っている。階段周りや窓の周辺などに漂う昭和レトロな雰囲気が印象的だ。

「このビルを借りる契約をした直後に、『TimeOut』で神保町が世界で最もクールな街に選出されたことは、私たちにとってラッキーでした」と牧野さん。オープン後は海外メディアやインフルエンサーのSNSで紹介されることも多く、『メイデンズ ショップ神保町』をめがけて訪れる外国人も多いという。「また日本のお客様は、原宿などに比べ、神保町の方が年齢層も高く落ち着いていて、服がお好きな方がゆっくりと買い物を楽しまれている印象です」と牧野さんは話す。展開ブランドなどは原宿店と大きく変わらないというが、「神保町店では、スペインの“GABRIELA COLL GARMENTS(ガブリエラ コール ガーメンツ)”と“COMOLI(コモリ)”に力を入れています。“コモリ”には神保町店オープンに合わせてユニセックスの別注をつくっていただきました。またパリ拠点の“seya.(セヤ)”も神保町店のテーマにピッタリで、先日イベントも開催しました。あと“ANSNAM(アンスナム)”にも別注をお願いしていて、女性にも人気です」(牧野さん)と、神保町ならではの特徴が、少しずつ表れてきているようだ。また、3階で扱われているヴィンテージウェアは、『メイデンズ ショップ神保町』セレクトの古着と古着店『AND SO IT GOES』の商品をミックスして展開している。


さらに1階では、神保町を拠点とする“CROWD ROASTER”監修による、オリジナルブレンドのハンドドリップコーヒーが提供されている。「コーヒースタンドはコミュニティづくりの一環」という牧野さんの言葉通り、近所の方が立ち寄ってコーヒーをオーダーする姿が何度もみられた。「オンラインストアでの売り上げも好調ですが、実店舗で、お客様がリアルに服に触れ、接客などを体験されることを大切にしています。この神保町で10年、20年かけて店舗を育てていけたらと思っています」。牧野さんのそんな言葉からは、神保町という街とファッションの関係、神保町ならではのファッションを扱う店のあり方を、追求する姿勢が強く感じられた。
AUTHOR
『エスクァイア日本版』(エスクァイア マガジン ジャパン)編集部を経て、『メンズプレシャス』(小学館)などでメンズファッションやデザインプロダクト、カルチャー等の企画を担当。それらの傍ら、紳士靴の雑誌『LAST(ラスト)』を創刊し編集長を務める。現在は『Advanced Time』本紙とオンラインのほか、さまざまなメディアにて、ファッションやライフスタイル分野でエディターまたはライターとして活動している。
STAFF
Photography and text: SUGAWARA Yukihiro
Composition: KAMIYAMA Atsuyuki(SHOGAKUKAN SQUARE INC.)
TAGS
『AdvancedTime』は、自由でしなやかに生きるハイエンドな大人達におくる、スペシャルイシュー満載のメディア。
高感度なファッション、カルチャーに溺愛、未知の幅広い教養を求め、今までの人生で積んだ経験、知見を余裕をもって楽しみながら、進化するソーシャルに寄り添いたい。
何かに縛られていた時間から解き放たれつつある世代のライフスタイルを豊かに彩る『AdvancedTime』が発信する情報をさらに充実し、より速やかに、活用できる「AdvancedClub」会員組織を設けました。
「AdvancedClub」会員に登録すると、プレゼント応募情報の一覧、プレミアムな会員限定イベント、ブランドのエクスクルーシブアイテムの紹介など、特別なコンテンツ情報をメールマガジンでお届け致します。更に『AdvancedTime』のタブロイドマガジンのご案内もあり、送付手数料のみをご負担いただくことでお手元で『AdvancedTime』をお楽しみいただけます。
登録は無料です。
一緒に『AdvancedTime』を楽しみましょう!

vol.032

vol.031

vol.030

vol.029

Special Issue.AdvancedTime×AQ

vol.028

vol.027

Special Issue.AdvancedTime×AQ

vol.026

vol.025

vol.024

vol.023

vol.022

vol.021

vol.020

vol.019

vol.018

vol.017

vol.016

vol.015

vol.014

vol.013

Special Issue.AdvancedTime×HARRY WINSTON

vol.012

vol.011

vol.010

Special Issue.AdvancedTime×GRAFF

vol.009

vol.008

vol.007

vol.006

vol.005

vol.004

vol.003

vol.002

Special Issue.01

vol.001

vol.000
秋こそ沖縄へ。名門ホテル「沖縄ハーバービューホテル」で暮らすようなステイを
アラン・デュカス降臨!盛岡の酒蔵に東北のスターシェフらが集結。「あさ開」の特別な日本酒をプレゼント
ようこそ、AdvancedClubへ!
「風のマジム」の純沖縄産ラム酒を追いかけて、美酒佳肴の誇りに出会う旅へ
雄大な自然のなかに新たな体験が待つ、アイランドリゾート「ANAインターコンチネンタル万座ビーチリゾート」編