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人生を最大限に楽しむということ。それは、ちょっとしたチャレンジの繰り返しだ。いつもとは異なる選択には新たな発見があり、時に大きな幸せがもたらされる。そんな一歩を、新世代の電動SUVとともに踏み出してみようではないか。
知る人ぞ知る選択肢を見つけたとき、その喜びは一入だ。日常で使う定番品が別のアイテムに替わったり、日々のルーティーンに新たなメニューが加われば、生活のリズムも変わるだろう。そして、新しい刺激とともに楽しみも加わるなら、選択の変更も受け入れやすくなる。
それは旅にも言えることだ。以前から知っていた場所でも、アプローチを変えれば新たな発見があるだろうし、定番の中で見落としている点も少なくない。そんな想いを抱きながら、今回は京都でも大阪・神戸でもなく、四国の玄関口、徳島を目指すことにした。
京阪神の中心地からなら1時間前後で行ける関西のリゾート、淡路島。最近では島の北側、北淡エリアに地の利を生かしたレストランやカフェ、リゾートホテルが増えており、アクセスの良さから幅広く人気を博している。しかし、その人気の一方で、土地本来の牧歌的な雰囲気が薄れていると感じはじめている人も多いのではないだろうか。ならばと今回は淡路島を通過し、さらに先へと足を伸ばした。
北淡からさらに1時間弱走ると、四国の玄関口である徳島県鳴門市に到着する。このエリアは関西とは異なる文化へのアクセスポイントだ。鳴門は海峡を通る潮の流れ、特異な地形と潮の満ち引きが生み出す“うず潮”が名物であり、豊かな海の幸にも恵まれている。
宿に選んだのは、淡路島から大鳴門橋を渡ってすぐの大毛島にある「アオアヲ ナルト リゾート」。瀬戸内海国立公園内に位置し、風光明媚な景色が広がり、海岸線に建つホテルからの眺めは絶景で、陽の動きや潮の流れ、波の音が直に感じられる。そこからほんの少し足を伸ばせばうず潮にも出合えるなど、自然の癒しは満点だ。
そんな旅の相棒には、メルセデスAMGの電気自動車「EQE 53 4MATIC+SUV」を選んだ。かつてメルセデス・ベンツのチューニングメーカーとして名を馳せていたAMGも、いまやメーカー直系のハイパフォーマンスカーブランドに成長。今回借り出したのはメルセデスAMGとしては初のEVモデルというから特に興味深い。
EQE 53 4MATIC+SUVはそのネーミングからもわかるとおり、メルセデス・ベンツの純電気自動車であるEQE SUVを、メルセデスAMG独自の手法で高性能化したモデルだ。エクステリアでは、天地方向に桟が入った“パナメリカーナグリル”が装着され、顔つきに迫力が増しているが、ひと昔前のAMGのようなこれ見よがしな空力パーツは用いられず、ジェントルなデザインに仕上がっている。
もっとも、その中身にはメルセデスAMGらしい大胆さが見え隠れする。前後に配置されたモーターは、モード切り替えによって最大687psと1000Nmを発生することが可能。この大きく重量も嵩むSUVボディに、スーパースポーツカー並みのパフォーマンスを内包しているのである。そしてその超高性能を受け止めるべく、足回りにしっかりと手が加えられているのも特徴だ。電子制御ダンパーを用いたエアサスペンションに加え、試乗車には“アクティブスタビライザー”と呼ばれる姿勢制御機構も備わっていた。
高速移動はEQE 53 4MATIC+SUVのもっとも得意とするところで、その性能の向上は顕著である。橋の上の横風でもびくともしない直進安定性や、瞬時に思いどおりの加速が得られるのがノーマルモデルとの明確な差異。マナーに優れる最新の運転支援システムとの組み合わせで、どこまでも走り続けたくなる衝動に駆られる。
定番のメルセデスといえどもAMGの手が加わると、新しい魅力が生まれる好例がこのEQE 53 4MATIC+SUVだ。走る・曲がる・止まるの性能はもちろん、さりげなくも他を圧倒するパフォーマンスや、優れた高速巡航性能が実感できるのが、現代のメルセデスAMGのスタイルである。そんな伝統のブランドが手掛けた初のEVであるEQE 53 4MATIC+SUVは、電気自動車の可能性を探求したいクルマ好きにとって、あるいは新たなメルセデスAMGを知るにうってつけの存在であり、また新しいドライビングプレジャーをもたらしてくれる一台なのである。
主要諸元 | Mercedes-AMG EQE 53 4MATIC+SUV Launch Edition |
モーター | 永久磁石同期電動機 |
システム最高出力 | 625ps(最大687ps) |
システム最大トルク | 955Nm(最大1000Nm) |
全長×全幅×全高 | 4,880×2,030×1,670mm |
車両重量 | 2,660kg |
車両本体価格 | ¥17,070,000 |
STAFF
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Photos: Hidehiro Tanaka
Writer: Tsuneharu Kirihata
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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