ジェームズ・ボンドが最も愛する時計

「オメガ シーマスター ダイバー300M 007 エディション」の魅力に迫る

初作品「ドクター・ノオ」から数えて58年を数える2020年は、ジェームズ・ボンド映画第25作「００７／ノー・タイム・トゥ・ダイ」が公開される年である。これまで007は、60名ほどのボンドガールと逢瀬をときに楽しみ、ときに悲しみ、そして数え切れないほどの敵と戦い、同じくらいシェイクされたウォッカ・マティーニの杯を重ねてきた。また、５モデルのアストンマーティンを乗りこなし、100以上の武器や道具を手にもしてきた。その道具を得るのがMI6の奥深く、Q課である。そこで手にした秘密道具のほとんどすべてが無傷だったことはなく、たいてい一回の使用でその役目を終え、以降、日の目を見ることはない。しかし、愛車DB5のように繰り返し登場する道具がある。それがオメガ シーマスターだ。

1940年、オメガは英国軍のウォッチサプライヤーとなる。大戦中、多くの兵士たちの腕にはオメガが巻かれていたのだ。その耐久性や精度を継承し、民生品として1948年に登場したのがオメガ シーマスターである。その名の通り防水性も高く、英国海軍中尉であったボンドがこの時計を好む理由のひとつになっている。

シーマスターコレクションの魅力は、優れた防水性と高い視認性が 挙げられる。前者は最低でも 15気圧、最高クラスでは120気圧も の防水性を実現しているところからわかり、後者はダイビングスケールベゼルやミニマムなダイヤルから見て取れる。豊富なバリエーションをもつシーマスターだが、ボンドが愛するモデルの代表は「ダイバー300M」だ。端正なデザインゆえ、オンでもオフでも使える 点がスパイ向きというわけなのかもしれない。

さらにボンド好みに仕上げられたのが、シーマスター ダイバー 300M 007 エディションだ。 実際にボンド役のダニエル・クレイグ自身も誕生に深く関わり、デザインや軽量化を求めた。さまざまな物事の極上を知るボンド的ライフスタイルにシーマスターは欠 かせない。それはラグジュアリーでありながら、ピンチの時には頼れる秘密道具でもあるのだ。

マスターピースを洗練のアップデート

チタンとアルミで形成された ライトウエイト・ダイバーズ

42㎜のケースはグレード2チタンを採用し、メッシュのベルトもチタン製。 さらにアルミニウムのダイヤルとベゼルリングを導入し、軽量化をはかっている。 オメガ コーアクシャル マスター クロノメーター キャリバー8806を搭載する。 30気圧 (300 メートル / 1000 フィート)防水。

Dial&Bezel　コレクターも喜ぶ ヴィンテージブラウン

経年変化によって生まれるエージドブラウンカラーを再現。 この色調はコレクターから “トロピカル”と呼ばれる。 風防はドーム型強化サファイアガラスを採用し、 スリムな印象に。

Case Back　ブロードアローはじめ英国ミリタリーの証が！

印された0552は海軍を、 923 7697はダイバーズウォッチを、 Aはねじ込み式リュウズを意味し、 本物の軍用時計を模している。 もちろん、007はボンドのエージェントナンバーであり、 62は第1作の公開年。

NATO Strap　印象ががらりと変わるストラップも

チタン製メッシュブレスレットの他に、 ループに007とエングレーブされたダークブラウン、グレー、ベージュのストライプ柄のNATOストラップも用意。 印象ががらりと変わる。

The Watches By JAMES BOND

ジェームズ・ボンドが愛したシーマスター一挙公開

歴代007が愛用したシーマスターを紹介しよう。1はゴールデンアイ（1995年）、2はトゥモロー・ネバー・ダイ（1997年）、ワールド・イズ・ノット・イナフ（1999年）、ダイ・アナザ ー・デイ（2002年）でピアース・ブロスナンが。3と4はカジノ・ロワイヤル（2006年）、5は 慰めの報酬（2008年）、6と7はスカイフォール（2012年）、8と9はスペクター（2015年）で、 もちろん着用したのはダニエル・クレイグだ。

1. プロフェッショナル ダイバー300M クォーツ
2. プロフェッショナル ダイバー300M
3. プラネットオーシャン
4. ダイバー300M
5. プラネットオーシャン
6. プラネットオーシャン
7. アクアテラ
8. アクアテラ
9. シーマスター300

初出：2020年3月20日発行『AdvancedTime』04号。掲載内容は原則的に初出時のものです。