ウイスキー好きに贈りたい、オークの香り

芳しき“命の水”、ウイスキーの嗜みVol.17

ウイスキー好きには、熟成樽の木材として親しみのあるオーク。英国の歴史に寄り添ってきたオークは、イングランドの国木でもある。英国の老舗百貨店リバティでは、オークをモチーフにしたオリジナルテキスタイルを展開してきた歴史があり、オークをインスピレーションソースにしている英国ブランドは多い。今回は、英国のフレグランスブランドが、オークをイメージしてブレンドした香りの製品から、ウイスキー好きの方のライフスタイルに馴染むアイテムを厳選。“ウイスキーを飲む”だけではない、オークの恵みを感じてみよう。

LIFESTYLE Mar 23,2026
ウイスキー好きに贈りたい、オークの香り

ウイスキーの熟成に欠かせないオークの木

秩父蒸溜所の画像
秩父蒸溜所ではオーク樽での熟成にこだわり、アメリカンオークやヨーロピアンオークだけでなく、ジャパニーズオークと呼ばれるミズナラ樽を自社の樽工房で製樽している。

ウイスキーの製造工程で欠かせない木樽での熟成。世界5大ウイスキーのうち、スコッチウイスキー、アイリッシュウイスキー、アメリカンウイスキー、カナディアンウイスキーは、蒸留したスピリッツを木樽に詰めることが法律で義務付けられている。

スコッチウイスキーに関しては、“スコットランド国内で、オークの樽で3年以上熟成させる”と、木材をオークに限定。アメリカンウイスキーの代表格であるバーボンウイスキーに関しても“内側を焦がしたオークの新樽に詰める”と、やはりオークにこだわっている。

ジャパニーズウイスキーは、日本洋酒酒造組合という業界団体によって自主基準が制定。その中には、“日本国内で、木樽での3年以上の貯蔵”という要件が盛り込まれ、2021年4月1日から施行されている。木材をオークに限定していないため、桜や栗の木でできた樽での熟成も可能だが、硬いけれど弾力もあり水漏れしにくいオークの木樽が重用されている。ウイスキーの熟成樽に使われるオークは、日本ではナラとして知られている。

ウイスキーを熟成する木樽には、樹齢100年を超えるオークの木が用いられることも珍しくない。伐採後、生木臭やタンニンを和らげるために乾燥させる工程では、約3年かけて天日乾燥させることもあるという。その後、製樽し、樽内側の表面が真っ黒に炭化するまで熱処理を施す。ここに、蒸留したての無色透明なスピリッツを詰めて熟成することで、琥珀色に色付くだけでなく、不快な成分は減り、バニラ香やスパイス香といった香味成分をまとい、口当たりはまろやかになるのだ。

オークは密度が高く水を通しにくい材質で、古くから船の建材として活用されてきた。8世紀後半から11世紀半ばにかけてのバイキング時代に造られた、オークを主要材としたバイキング船が発掘されている。

イングランド内戦が続いていた1651年には、チャールズ皇太子がオークの大木の枝の中に隠れ、敵対する軍から逃れたという逸話が残っている。1660年に、チャールズ2世として王政復古を果たすと、オークの大木は“ロイヤル・オーク”として崇められる存在に。“ロイヤル・オーク”の加護や勝利といったイメージにあやかり、18世紀から20世紀にかけて、ロイヤル・オークと命名される英国海軍の戦艦が8隻も登場した。

英国の歴史に寄り添ってきたオークという木。1975年に、エリザベス2世女王陛下が来日された際には、駐日英国大使館と迎賓館赤坂離宮にイングランドの国木であるオークの木を植樹された。現代では、オークの木は、英国全体で神聖でありながら安らぎを感じる存在であることがうかがえる。日本での檜に近い存在と言って良いだろう。

そんなオークは英国のフレグランスブランドのインスピレーションソースにもなっている。“英国の歴史と文化をボトルに閉じ込める”ウイスキーとは違った表現を、覗いてみよう。

『ペンハリガン』の「クァーカス」の香りで、ロイヤルなバスタイム

『クァーカス ボディ&ハンド ウォッシュ』の画像
『クァーカス ボディ&ハンド ウォッシュ』 500ml 9,460円 『クァーカス ボディ ローション』 500ml 10,450円 ※取り扱い店舗限定製品(ブルーベル・ジャパン)

1870年に、コーンウォール出身の理髪師ウィリアム・ペンハリガン氏がロンドンで開業した理髪店にルーツを持つ『ペンハリガン』。ジャーミン・ストリートの店舗には、上質なグルーミングのサービスを求めて、オスカー・ワイルド氏やウィンストン・チャーチル氏など多くの著名人が訪れた。1872年、ウィリアム氏は、初の香水となるハマン・ブーケを発表。ラベンダーの香りを神秘的かつエレガントに昇華し、英国の社交界を魅了した。

1903年には、エドワード7世の王妃アレクサンドラ女王から初のロイヤルワラントを授与され、フレグランスブランドとしての地位を確立する。現国王チャールズ3世は、皇太子時代から『ペンハリガン』を愛用し、ロイヤルワラントを授けてきた。

1996年、「QUERCUS」(クァーカス)の香りを発表。クァーカスとはラテン語でオークを意味し、オークの学名でもある。イングランドの国木であるオークからインスピレーションを得た香りは、シトラスとバジルの瑞々しい香りが印象的。次に、ジャスミン、カルダモンの甘やかな香りが心地よく広がり、パチュリのウッディな余韻へと繋がっていく。躍動感のある香りからは、大地にしっかりと根を張ったオークの木に陽光が注がれ、若葉がきらめく光景が思い浮かぶ。

40種類以上の香りを展開する『ペンハリガン』の中でも、ジェンダーレスに使える香りとして「クァーカス」は約30年愛され続けている。2025年に『ペンハリガン』の155周年を記念して、ボディ&ハンド ウォッシュとボディ ローションが登場した際には、人気の香り3種のひとつとして「クァーカス」が選ばれた。

『クァーカス ボディ&ハンド ウォッシュ』 は、泡立てるとシトラスやバジルの香りが弾け、より、フレッシュな印象を受ける。甘やかな余韻も心地良いので、バーでのアメニティに取り入れるのも良いだろう。『クァーカス ボディ ローション』は、シルキーなテクスチャーで、白いお花の香りが上品に広がる。全身の保湿に使える、穏やかな香り立ちだ。

オークをイメージしたロイヤルワラントの香りに包まれるバスタイムは、ウイスキーを飲むのとはひと味違う高揚感をもたらしてくれるだろう。

『ジョーマローン ロンドン』の香りを重ねる魔法で、「イングリッシュオーク」の森に誘われて 

『イングリッシュ オーク & ヘーゼルナッツ ハンド クリーム』  『イングリッシュ オーク クラシック キャンドル』の画像
『イングリッシュ オーク & ヘーゼルナッツ ハンド クリーム』 30ml 4,400円 『イングリッシュ オーク クラシック キャンドル』 200g 11,660円(ジョー マローン ロンドン)

1980年代の濃厚な香りから、クリーンでピュアな香りへとトレンドが移り変わった1990年代。“セント レイヤリング”(香りを重ねる)という手法をハウススタイルとして、ロンドンで誕生したフレグランス ライフスタイル ブランドが『ジョー マローン ロンドン』だ。透明感のある香りを重ねることで生み出された、ライム バジル & マンダリンは、新しさを感じさせ、瞬く間に英国を席巻。現在でも愛されるロングセラーとなっている。

1998年には、N.Y.の高級百貨店バーグドルフ・グッドマンで扱われるようになり、アメリカ合衆国でも人気を博すように。2011年のウィリアム王子とキャサリン妃の結婚式では、キャサリン妃のリクエストで、ウエストミンスター寺院がオレンジ ブロッサムの香りで彩られたという。現在では、『ジョー マローン ロンドン』は、世界82か国で愛されている。

『ジョー マローン ロンドン』の調香師は、必ず英国に滞在し、英国の魅力を香りで表現することを心掛けているそうだ。英国の原風景をエレガントな香りとして表現する…そうして生み出された香りのひとつが、「イングリッシュ オーク」だ。マスターパフューマ―のヤン・ヴァスニエ氏は、「オークは美しく、高貴な木です。力強く、象徴的です。フレグランス界でサンダルウッドとシダーウッドはよく用いられますが、オークは他にはないものを持っています。荘厳で神秘的です」と、オークの魅力を語る。

『イングリッシュ オーク & ヘーゼルナッツ ハンド クリーム』は、ヘーゼルナッツのフレッシュさが、燻したオークのウッディさに軽やかさをもたらし、女性も使いやすい洗練された仕上がりに。好感度の高い香りは、ウイスキーとは違う角度からオークを再解釈できるアイテムとして、ウイスキー好きの男性へのプレゼントにもおすすめだ。

『イングリッシュ オーク クラシック キャンドル』は、オークが生い茂る深い森で深呼吸をしているような、神秘的なウッディさが印象的。「今日は休肝日」…そんな夜は、自宅でキャンドルに火を灯し、イングリッシュ オークの森に誘われてみたい。


秩父蒸溜所

秩父蒸溜所の画像

2004年に肥土伊知郎氏が創業した株式会社ベンチャーウイスキー。オークの果実であるドングリと、ジャパニーズオークと呼ばれるミズナラの葉をロゴマークにしている。『イチローズ モルト&グレーンブレンデッドジャパニーズウイスキー2025』は、イングランドのウイスキー専門誌が主催するコンペティション『World Whiskies Awards 2025』で、世界最高賞を受賞。株式会社ベンチャーウイスキーの製品が世界最高賞を受賞するのは7回目となった。

2008年に、モルトウイスキーを生産する秩父第一蒸溜所が稼動。当時から、土床で湿度が保たれ、穏やかな熟成が期待できるダンネージ式での熟成にこだわってきた。土床の上に木のレールを敷き、その上に樽を並べるため、様々な大きさの樽を積み上げることができるのも利点だ。ダンネージ式の熟成庫は6棟あり、ダンネージ式だけで約12,000樽、ラック式も合わせると約30,000樽の熟成ができる。

2014年には樽工房が稼動。樽工房を保有するウイスキーメーカーは、日本はもちろん、世界でも数少ない。樽工房では、ミズナラ材を中心に、年間230樽ほど製樽している。様々な木材を、様々な大きさの樽に加工できるため、熟成によりフレーバーにバリエーションを持たせられるのが、強みのひとつでもある。

2019年にはモルトウイスキーを生産する秩父第二蒸溜所が、2026年にはグレーンウイスキーを生産する苫小牧蒸溜所が稼動。幅広い種類のウイスキーを自社で生産し、『イチローズモルト』のさらなる進化を目指す。

埼玉県秩父市みどりが丘49
一般見学不可
0494-62-4601

英国製レーステーブルセンター

『アールヌーボー』 の画像
『アールヌーボー』 特別価格16,500円
『ヴィクトリアンポピー』の画像
『ヴィクトリアンポピー』 希望小売価格15,400円

ヨーロッパの王侯貴族を魅了してきたハンドメイドのレース。生地の美しさはもちろんのこと、膨大な時間を費やし作られることから、富と権力の象徴でもあった。18世紀半ばから英国で始まった産業革命では、1809年に、イングランド人の発明家ジョン・ヒースコート氏がレースを生産する機械の特許を取得。この機械を基に、1813年には、イングランド人のジョン・リバー氏が、ノッティンガムの街でリバーレース機を考案。ハンドメイドのレースと見まごう美しさで、ノッティンガムの街では機械レースの産業が発展した。しかし、1930年代には衰退し、今では英国製レースは貴重な存在となっている。『英国製レーステーブルセンター』は19世紀の産業革命時代の機械で仕立てられたギュピールレースを用い、ノッティンガムのレース工房で仕上げられている。綿麻の織地を縁取るギュピールレースは立体的で、エレガントな印象。銀舎ビズでは、様々なデザインの『英国製レーステーブルセンター』を扱い、百貨店の催事や、老舗カタログ通販にて紹介してきた。

銀舎ビズ
https://www.ginsha-biz.com/

お問い合わせ先
ブルーベル・ジャパン
03-5413-1086
https://latelierdesparfums.jp/pages/penhaligons
ジョー マローン ロンドン
0570-003-770
https://www.jomalone.jp/

●掲載商品の価格はすべて、税込み価格です。

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