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“舞妓さん”、その存在は京都では伝統的な文化でもあり、親しまれ、尊ばれている。京都にある五つの花街の中で、最も大きく格式高いといわれるのが祇園甲部。毎年4月に祇園甲部の芸妓・舞妓らが演じる「都をどり」は、春の風物詩となっている。今年は寛永行幸400年の節目に合わせたテーマで、華やかに繰り広げられる。
京都には、祇園甲部、上七軒、先斗町、宮川町、祇園東と五つの花街がある。祇園甲部は八坂神社からも近く、まさに祇園の中心であり、観光客も多数訪れる場所だ。いわゆる“お茶屋”でもてなしをする芸妓や舞妓は、普段から舞や唄などの芸事の修業をしている。話題になった配信ドラマ『舞妓さんちのまかないさん』(原作は小学館刊の漫画作品)でも描かれていて、ご覧になった方も多いだろう。毎年何人も舞妓を目指して新人が門戸をくぐるが、修業に耐えられず離脱する人もいるという厳しい世界。芸事だけでなく着物姿での美しい出で立ち、独特の“花街ことば”など、身に着けるべき習慣も数多あり、まさに存在そのものが京都の伝統文化ともいえよう。
お茶屋は基本的に“一見さんお断り”なので、一般の観光客が芸妓や舞妓に出会う機会は少ないが、春の「都をどり」なら、その芸事を存分に堪能できるわけだ。

「都をどり」が最初に催されたのは、明治5年(1872)のこと。第一回京都博覧会の余興として始まり、以来毎年4月に約1か月間、開催されている。舞を舞う立方(たちかた)、唄と三味線の地方(じかた)、鼓や笛などを担当する囃子方に分かれ、大勢の芸妓・舞妓が力を合わせて華麗な舞台を繰り広げる。衣装の美しさはもちろん、創始当時から「京舞井上流」の振付で、唄の歌詞も毎年書下ろしという年々進化する伝統芸能のライブなのだ。


この「都をどり」のテーマは毎年替わるが、今年は寛永行幸400年の節目に合わせた内容となっている。寛永行幸とは、寛永3年(1626)、三代将軍・徳川家光が後水尾天皇を二条城に迎え5日間に渡ってもてなし、全国230の大名のうち8割近くが参加した一大イベント。戦国の世が終わり、ようやく平和が訪れた京都で、料理、舞楽、能楽、和歌、管弦の遊びなど最上級のもてなしが繰り広げられ、後世の文化に影響をもたらした寛永文化が花開くきっかけになった。その様子は、洛中洛外図屏風にも描かれている。

演題は『寛永行幸都華麗(かんれいぎょうこう・みやこのはなやぎ)』。例年、春夏秋冬が描かれるが、今回も全八景で様々な場面が描かれていく。第二景「月ヶ瀬梅林逍遥」はその名の通り、梅の場。恵方の南南東を念頭に置き、月ヶ瀬の早春を背景にしている。
第三景「後水尾天皇饗応絵巻」は二条城御殿・前庭を舞台にしていて、第八景「二条城桜吹雪」とともに寛永行幸当時の壮麗さを想起できる見所になりそうだ。各景により出演する芸妓・舞妓の人数は異なるが、フィナーレは36名による圧巻の舞台となる。


2月下旬に行われた記者発表では、主催者である学校法人八坂女紅場学園の杉浦京子理事長がこう強調していた。
「近年、インバウンド需要で完売が続いていますが、今回はぜひ地元の方、日本の方にご覧になっていただきたいです」
春が来たことを実感できる「都をどり」。4月の京都へ、ぜひ足を運んでいただきたい。

期間:令和8年4月1日(水)~30日(木)
公演:1日3回(12:30~、14:30~、16:30~)、公演時間60分
料金:抹茶付一等観覧券7,000円、一等観覧券6,000円、二等観覧券4,000円、学生券(二等観覧券)2,000円
会場:祇園甲部歌舞練場
問い合わせ:電話075-541-3391
https://miyako-odori.jp/miyako/
元「美味サライ」編集長で、昨年、「婦人画報」の特集・日本のガストロノミーレストラン120の選者も務めた、京都在住のインディ藤田が薦める祇園エリアのお店をさらっとご紹介。「都をどり」の観劇後にどうぞ。
⚫︎いづ重(京寿司)
https://gion-izuju.com/
⚫︎わしょく宝来(和食)
https://www.instagram.com/washoku_horai.kyoto/
⚫︎レストラン田むら(フレンチ)
http://r-tamura.com/
⚫︎リストランテ デイ カッチャトーリ(イタリアン)
https://cacciatori.ciao.jp/
⚫︎ winebar M emme(ワインバー)
https://www.instagram.com/wine_bar_m_emme/
⚫︎ケンゾーエステイトワイナリー 祇園店(ワインバー)
https://tr.kenzoestate.jp/gion/
⚫︎祇園下河原 おりじん(串揚げ・ワインバー)
https://tabelog.com/kyoto/A2601/A260301/26033993/
STAFF
Writer:Indy Fujita
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