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今年1月のミラノメンズファッションウィークにて発表された、各メゾン&ブランドのコレクションから、AdvancedTimeが注目すべき動向をピックアップ。次の秋冬の傾向を先んじて紹介する。
例年1月にミラノとパリで開催されている、メンズファッションウィーク。一年において最初のファッションウィークということもあり、メンズだけでなくウィメンズコレクションも含めたショーも多く、大きな注目を集めている。今回はミラノファッションウィークから、Advanced Timeとして注目のコレクションをいくつかピックアップしてご紹介。ちなみに記事の順番は、ファッションウィークでの登場順に準じている。


今回はプレゼンテーション形式で発表された、“DUNHILL(ダンヒル)”の2026年秋冬コレクション。イーサン・ジェームズ・グリーンの撮影によるヴィジュアル『ダンヒル・カタログ・レゾネ』が表現する男性像は、ロード・スノードン(スノードン伯爵)から発想されたものという。1960年代からフォトグラファーとして活躍し、英国王エリザベス2世の妹マーガレット王女と結婚したアンソニー・アームストロング・ジョーンズ=スノードン卿。その華麗な生涯や洗練された装いは、彼の作品とともに注目された。スノードン卿撮影のポートレイトやファッションフォトを彷彿とさせるような、モノクロ写真で構成された『ダンヒル・カタログ・レゾネ』。アーティストとしても活躍するヘンリー・キッチャーをモデルに起用して表現しているのは、テーラーリングやクラシックな生地づかいなどをベースにしながらも、カジュアル感と華やかさを共存させたジャケットやスーツ、コートの着こなし。ブラウンのウィンドーペーン柄ウール生地を使ったダブルジャケットに、チョコブラウンのニットとコットンシルクのベンガルストライプ(キャンディストライプ)のシャツを重ね着し、首元にはドットのシルクスカーフ、さらにブラウンスエードのパンツを合わせたスタイルなどは、まさにその典型といえるものだろう。“ダンヒル”のアイコニックピースといえるカーコートはアルパカ素材を使い、よりラグジュアリーな印象に。クリエイティブ・ディレクターを務めるサイモン・ホロウェイが就任時から追求しているのは、英国的クラシックスタイルの更新。今季はさらに、スウィンギング・ロンドンのエッセンスが盛り込まれているように映った。


さまざまな個性が集まるミラノファッションウィークにおいて、オーセンティックかつ今日的なイタリアンスタイルを象徴する存在として挙がるのが、“BRUNELLO CUCINELLI(ブルネロ クチネリ)”。古今東西のリベラルアーツに関する深い造詣から導かれたブランド哲学、そして地域に根ざしたものづくりは、イタリアのアートや工芸などが本来備えている価値や美意識を感じさせる。プレゼンテーション形式で発表された2026年秋冬コレクションは、「ARS IMITATUR NATURAM(芸術は自然を模倣する)」という、アリストテレスの言葉をテーマとしている。同ブランドらしいベージュやグレー、ブルーといったミディアムからダークトーンのニュートラルカラーが基調。さらにツイードやニットなどの立体的な生地感、シアリングやスエードの質感がマイルドな雰囲気を付け加えている。テーマから派生して、「探検や冒険」「アウトドアライフ」などを想起させるサファリジャケットなどのユーティリティウエアも数多く展開。また、ニットなどとレイヤードしたタイドアップは、エレガントさとエフォートレス感を巧みにバランスした着こなしともいえるだろう。それはクラシックなメンズウエアを、現代のライフスタイルにおいてチューニングしているようにも見受けられた。


イタリア最高峰の、サルトリアル(仕立て)の美を象徴する存在、“BRIONI(ブリオーニ)”。ミラノファッションウィーク期間中に発表された2026-27年秋冬コレクションは「グランドツアー」というテーマで、メゾンが受け継いできたイタリア各地のスタイルとエレガンスから着想されているという。ヴィキューナ、カシミヤ、シルク、ウールといった素材を使い、同メゾンの特徴のひとつであるダブル・スプリッタブル・ファブリック(薄い2枚の生地を高度な技術で縫い合わせたもの)が随所に盛り込まれている。そしてこのコレクションでは、ローマの夕暮れや石造りの建築を連想させる温かみのある色調を基調としつつ、バーガンディやダークパープルといった深い色合いが巧妙に使われている。さらに同色のグラデーション、フィールドジャケットにニットタイを合わせた着こなしなど、フォーマルとインフォーマルが交錯するようなスタイルが、随所に見られた。自由と精緻、快適と洗練という、対照的な要素を調和させて、現代におけるエレガンスのあり方を再解釈するようなコレクションといえる。それは決して声高ではなく、控えめな存在感で提案されている。


今回のミラノファッションウィークにおいて、メンズウエアの次なる方向性が感じられた“PRADA(プラダ)”のショー。プレスリリースに挙げられていた言葉は「BEFORE AND NEXT」、過去から受け継いだものを活かす、新しい考え方を提案しているという。そのテーマから導かれたもののひとつは、縦長なシルエット。かっちりとした肩まわりで、丈長かつ細身なロングコート(ペンシルコート)が、シングルやダブルなど、デザインもさまざまに登場していた。さらにマウンテンパーカの上部のみを切り取ったようなデザインのケープを組み合わせたスタイルもあり、高重心なバランスが新鮮。足元には厚みがあるラウンドトウの、ワークシューズやマウンテンブーツを思わせる無骨な黒い革靴を合わせていて、細身なシルエットでクッション多めのパンツとともに、ロング&リーンのスタイルに安定感をもたらしていた。シルエットやバランス、組み合わせこそ新しいものの、それぞれのアイテムのデザインやディテールはオーセンティックなメンズウエアを連想させるものが多く、さらにシワやダメージなどが表現されているものもあり、経過した時間の存在感が通奏低音のように各ルックに感じられたのが、印象に残った。


ソールにラバーペブル(突起)を使ったモカシンシューズ「ゴンミーノ」で、世界的に、幅広い層から支持されている“TOD’S(トッズ)”。最近はメンズ&ウィメンズのシューズに止まらず、バッグやウエアも幅広く手がけていて、「T タイムレス」シリーズや「レザー バッグ マイクロ」など、ブランドを象徴するような人気アイコンバッグも登場している。美術館として使われているヴィラ・ネッキ・カンピリオにて、同時公開された映像作品「THE ITALIAN TOUCH」をもとにしたプレゼンテーション形式で発表された2026年秋冬コレクション。その中核となるのは、マスターピース「ゴンミーノ」の冬バージョンといえるアンクルブーツ「ウィンター ゴンミーノ」。本コレクションではスエードにカシミヤやシアリングのライニングを配したモデルが登場。さらにウエアで注目は、近年注力している軽量かつ柔らかなレザー素材「パシュミー」を使ったアイテム。コーチジャケットや「カステッロ ブレザー」が展開されていて、同ブランドが追求する、控えめで、親密感があるラグジュアリーを象徴していた。
AUTHOR
『エスクァイア日本版』(エスクァイア マガジン ジャパン)編集部を経て、『メンズプレシャス』(小学館)などでメンズファッションやデザインプロダクト、カルチャー等の企画を担当。それらの傍ら、紳士靴の雑誌『LAST(ラスト)』を創刊し編集長を務める。現在は『Advanced Time』本紙とオンラインのほか、さまざまなメディアにて、ファッションやライフスタイル分野でエディターまたはライターとして活動している。
STAFF
Writer: Yukihiro Sugawara
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