藩主の御茶屋屋敷「界 長門」に逗留し、川辺に佇んで憩う

ご当地の“快”を味わう。温泉旅館『界』で巡る、 ニッポン湯浴み旅vol.1　PR/界

ここ数年、インバウンドや昭和ブームも後押しし、人気が高まっているのが温泉旅。今月から10回にわたり、全国に23施設を展開する星野リゾートの温泉旅館ブランド「界」のなかから10か所を、その地の魅力を盛り込みながら紹介していく。第1回目は、長門湯本温泉街の再生の取り組みの一環として誕生し、活性化を牽引している「界 長門」へ。温泉と街歩きの楽しさを改めて知る旅となった。

TRAVEL May 30,2025
藩主の御茶屋屋敷「界 長門」に逗留し、川辺に佇んで憩う

目次

「界 長門」で四季折々の景色とともに土地の魅力を存分に楽しむ

山口県最古の温泉「長門湯本温泉」の歴史は、約6000年前の室町時代にまで遡るという。毛利藩の藩主の湯治場として知られ、明治から昭和にかけては全国から多くの人々が訪れたという。

旅のスタイルの変化に伴い、一旦は寂しい温泉地となったが、2014年から温泉街の再生に向けた取り組みがスタート。2016年1月には、星野リゾートも参画し、地域・民間・公共が連携した温泉街再生に向けた取り組みを進めてきた。大規模なリノベーションを経て生まれ変わり、山口県内や近県から訪れる人も増えたという「長門湯本温泉」への旅はいかなるものか。

山口宇部空港からクルマで長門湯本温泉へと向かう。自然豊かな風景を目にしながら約70分のドライブで、清らかな音信（おとずれ）川沿いに建つ「界 長門」に到着する。

「界 長門」の画像
かつて藩主が参勤交代の時に休む「本陣」として使われた「御茶屋屋敷」をテーマに武家文化を体現。

ロビーに足を踏み入れると迎えてくれるのは、1枚の絵のように美しい外の景色。取材時は新緑が目に眩しかった。伺えば、春は桜、秋は紅葉、そして、冬には雪景色へと姿を変えてゲストを楽しませてくれるという。木々の先には音信川と温泉街の風景も垣間見られる。

その土地の魅力を存分に楽しめるのが「界」。萩焼深川窯の作陶家・坂倉善右衛門氏の作品ほか、さまざまな山口県の伝統工芸、そして、アートがロビーにちりばめられている。

「界 長門」のロビーの画像
額縁のようにデザインされた窓辺。外の景色と一体になったような気にもなる。
「界 長門」のロビーの画像
木原千春氏の作品「月」。桜の枝は外の風景へと繋がるイメージ。

ロビーから渡り廊下を通り別館へ。今回は、ご当地部屋「長門五彩の間」の「特別室」に滞在した。

武家文化を生かした客室は、藩主が休む寝台をイメージ。山口県の伝統工芸「徳地和紙」、「萩焼」、「萩ガラス」、「大内塗」、「窓から見える四季折々の景色」を加えた五彩（5つの要素）が施された、モダンな空間となっている。

「界 長門」の客室の画像
色鮮やかなヘッドボード。山口市指定無形文化財の徳地和紙に折り染めを施してある。

全40室のうち、4室のみの「特別室」は坪庭を臨むテラス、露天の温泉風呂が付く。優しい日差しが差し込むテラスでお茶を飲むのもいいし、早速、緑を眺めながらの湯あみもできてしまう。

「界 長門」の特別室の画像
手に馴染む萩焼のカップでお茶を。
「界 長門」の露天風呂の画像
露天風呂でプライベートな湯あみを存分に。
「界 長門」の露天風呂の画像
外の緑を感じながら支度ができるのもいい。

各客室の床の間の違い棚には、深川窯の作家3名（坂倉 正紘氏、田原崇雄氏、坂倉善右衛門氏）による萩焼の作品が配されている。

「界 長門」の画像
左／ルームキーは山口県の伝統工芸品「大内塗」の夫婦雛。　右／客室入口のサインに「萩ガラス」を配し、優しい光で迎えてくれる。　

山口県最古の温泉である「長門湯本温泉」は、藩主を癒やした湯。プライベートな入浴もいいけれど、やはり大浴場での湯あみも楽しみたい。

内風呂は、湯温が高い「あつ湯」と、源泉かけ流しの 39℃の「ぬる湯」。まずは、「ぬる湯」でじっくりと体を温めてから「あつ湯」へ。そして、露天風呂を楽しむのがよし。

「界 長門」の大浴場の画像
左／ぬる湯。強アルカリ性（pH9.9）で、少しとろみのある美肌の湯。　右／開放感ある「露天風呂」。夜は煌めく星が見られることも。

滞在中はのんびりと川辺で憩い、遊び、味わう

温泉を堪能した後は、外へ出て温泉街を散策。

今では対岸へ渡れる飛び石、川沿いの広い歩道には多くのベンチが設けられ、そぞろ歩きが楽しい街並みに生まれ変わっている。

「界 長門」の画像
川辺に出やすいあけぼの門を通って外へ。
自然豊かな温泉街の画像
自然豊かな温泉街。橋や石を渡って回遊しながら楽しめる。

「界 長門」の一角にある「あけぼのカフェ」は、宿泊者以外も利用できる。オリジナルの「どらやき」やドリンクを販売。散策途中で立ち寄る旅人の姿も。

あけぼのカフェの画像
「あけぼのカフェ」。営業は10：00～16：00。
川床テラスの画像
音信川に浮かぶ「川床テラス」。

最近の人気は気軽に野点が楽しめる「どらやき茶かご～季（とき）の野点～」。籠に、萩焼深川窯・板倉善右衛門窯10代目が、この野点のために用意した抹茶碗と抹茶、茶筅、ポット入りの湯、そして「あけぼのカフェ」のどらやき1個がセットされ、持ち歩いて好みの場所で手軽に野点が楽しめる。

今回は「川床テラス」にて野点を体験。風を感じ、水の流れも耳に心地いい。選んだ「夏みかん」の「どらやき」は、ほんのり甘酸っぱく抹茶と好相性。茶道具などは16時までに返却すればいいので、あちこち場所を変えての野点三昧も。

どらやき茶かご～季（とき）の野点～の画像
「どらやき茶かご～季（とき）の野点～」（1名1000円）。※画像はイメージ。
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恵み豊かな山口の味覚をディナーで味わう

STAFF

Writer: Fukuko Hamada
Photos & Editor: Atsuyuki Kamiyama

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