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あの“ジェイエムウエストン”がオープンした新しいショップは、東京の東側、日本橋浜町という意外な場所。リミテッドアイテム、「ウエストン ヴィンテージ」、そしてギャラリー。店舗自体がブランドの表現といえるような、唯一無二の存在感が魅力だ。

フランスを代表するシューズブランドとして知られる“ジェイエムウエストン”が、10月末に東京・日本橋浜町にオープンした「ジェイエムウエストン アトリエ」。それは通常の新規出店とはひと味違った、ブランドの世界観、クリエイティヴィティ、そして意思を表現したものともいえるだろう。ショップのオープニングに併せて来日していた“ジェイエムウエストン”のマーク・デュリーCEOは、「“ジェイエムウエストン”をめぐる小さなコミュニティを、ここにつくりたかったのです」と、この「ジェイエムウエストン アトリエ」の意図について語っていた。

店舗はいくつかの要素で構成されている。店内を入るとまず目に入るのが、“ジェイエムウエストン”のリモージュ工場で使われているラックを再現した複数の木製什器。そこには同ブランドのサスティナブルプロジェクト「ウエストン・ヴィンテージ」の靴が並んでいる。顧客から“ジェイエムウエストン”の靴を買い取りし、同ブランドのファクトリーにて、独自の仕様でリソール(底の付け替え)やリペア(修理)を行って再販する「ウエストン・ヴィンテージ」。日本ではこれまで年1回、伊勢丹新宿店を中心にポップアップストアとして展開されてきたが、この「ジェイエムウエストン アトリエ」では常時取り扱われることになった。
「今回、日本に自分たちのノウハウ(サヴォアフェール)を紹介できて、さらにリペアにしっかり取り組める場所が欲しかったのです」とデュリーCEO。「ウエストン・ヴィンテージ」はまさに象徴的存在といえるだろう。さらにこのアトリエ・ブティックにはスペシャルなリペアサービスも導入されるという。もちろん「ウエストン・ヴィンテージ」のための、靴の買い取りもここで行われる。

この「ジェイエムウエストン アトリエ」のコンセプトはアーティスティック・イメージ&カルチャー・ディレクターであるオリヴィエ・サイヤール氏によるものだが、それがよく表れているのが、ショップ内に併設されたギャラリースペース。氏のキュレーションによるアーティストが紹介される予定で、現在は1980年代にモデルとして活躍した後、創作活動を始めたクラウディア・ウイドブロ氏による「EXHIBITION “Some Catwalk Memories”(ランウェイの記憶たち)」が展示中。足跡をモチーフとした作品は、意外な視点からの美が感じられて新鮮だ。ギャラリースペースでは今後「歩くこと」をテーマとした作品を紹介していくという。さらに店内にはサイヤール氏が選書した書籍などが置かれたコーナーもあり、靴を起点に、創造性が刺激される場所といえる。

店舗の2階はジェイエムウエストン・ジャパンのオフィスになっている。「もともとオフィスを移転したいと思っていました。そんな折、この日本橋浜町の、かつて印刷工場だった建物を訪れて、一目惚れしたのです。そして周辺には職人さんたちが多くいらして、手仕事を大切するムードがあります。その一方で24時間営業のスーパーなどもあり、生活感も色濃い。すごくいいところだなと感じました」。このようにこの地にアトリエ・ブティックをオープンした理由を話したデュリーCEO。現在は開店準備中だが、界隈の交流の場として、カフェも設けられている。

そして、このアトリエ・ブティックでは、現行の“ジェイエムウエストン”の靴は「シグニチャーローファー #180」と「ゴルフ #641」の2種類しか扱っていない。さらに「シグニチャーローファー #180」に関しては、「ジェイエムウエストン アトリエ」リミテッドエディションのモデルが展開されている。オープンを記念した第一弾は、アッパー(靴上部の革)の素材に上質なベビーカーフを使ったブラックカラーの「シグニチャーローファー #180」。そして第二弾として、ブラウン系のベビーカーフを使ったモデルがつい先日販売を開始した。MELEZE(カラマツ)と名付けられたその色は、エイジングされた木製家具を連想させるオーガニックな雰囲気。シーズンを選ばず、上品なカジュアル感とともに着こなせそうだ。50足限定なので、ご興味ある方はぜひお早めに、「ジェイエムウエストン アトリエ」に足をお運びいただきたい。
AUTHOR
『エスクァイア日本版』(エスクァイア マガジン ジャパン)編集部を経て、『メンズプレシャス』(小学館)などでメンズファッションやデザインプロダクト、カルチャー等の企画を担当。それらの傍ら、紳士靴の雑誌『LAST(ラスト)』を創刊し編集長を務める。現在は『Advanced Time』本紙とオンラインのほか、さまざまなメディアにて、ファッションやライフスタイル分野でエディターまたはライターとして活動している。
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Writer: Yukihiro Sugawara
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