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お芝居以外の仕事が、演技の幅を少しずつ広げてくれます。

女優

仲間由紀恵

女優としてはもちろん、司会業やナレーションなど、多方面で活躍する仲間由紀恵さん。仕事に対する自身の向き合い方から、故郷・沖縄への思いを、お話しいただきました。

LIFESTYLE Apr 14,2023

仲間由紀恵さんの画像 — 時計「HW エメラルド」［ホワイトゴールド×ダイヤモンド×ルビー×マザー・オブ・パール／ケース17.7×24㎜／サテンストラップ／クォーツ］￥2,046,000（ハリー・ウィンストン／ハリー・ウィンストンクライアントインフォメーション）　ブラウス／スタイリスト私物

白いブラウスにベージュのベスト。撮影当日は、まだ冬の名残がある肌寒い日だったが、スタジオに入ってきた仲間由紀恵さんは、まるで春の風を呼び込むかのように、晴れやかだった。「今日は春号の撮影なので、少し軽やかな着こなしを意識してきました」と、仲間さん。そんな気遣いに、現場の空気も一気に和やかに。

女優として数多くのヒット作に出演し、今やその名を知らない人はいないぐらいの存在。NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』のヒロインの母親役も、記憶に新しい。しかも、そのかたわらで、音楽番組の司会やナレーションなど、活躍は多岐にわたっている。

「ご縁あって、そうした仕事をさせていただいているのですが、芝居とはまったく違うので、やっぱり難しくて。たとえば音楽番組の司会は、音楽をつくるアーティストをお迎えし、曲に対する思いを視聴者へ届ける、仲介役のような仕事なので、どうすれば、この曲のいいところ、このアーティストの方のいいところがより伝わるのかということを、常に考えています。ナレーションもまた、挑戦でありながら好きな仕事ですね。声だけでどれだけ感情を表現できるか、もしくは自分の感情を抑えた淡々とした表現が、どうしたらできるかなど、奥が深いです。題材にもよりますが、あまり感情を入れすぎないほうが、視聴者の方に届くこともあるんです。今までの自分にはなかった“本当に伝えたいことは感情を抑えて話す”という考え方を、演技でも取り入れられるようになってきたので、お芝居の幅も、昔よりはちょっとずつ広がってきてるのかなと思いますね」

“故郷である沖縄への思いは子供が生まれたことが大きいかもしれません”

さらに昨年は、故郷である沖縄の「美ら海水族館」の名誉館長にも就任。地元への貢献も、彼女が活躍する場の大切なひとつだ。「この役職をいただく前にも、家族で行ったことがありますし、子供たちを連れて行ったこともあるのですが、本当に素晴らしい！パノラマの水槽の中で、大きなジンべエザメが優雅に泳いでいる姿は癒されますし、圧倒されるので、ぜひもっともっといいところを伝えていきたいと思います。故郷である沖縄に、何か貢献できればと思っているのは、私自身に、子供たちが生まれたことも大きいかもしれません。自分が育ってきた場所や家族のことを、より近く感じるようになりましたね。子供たちを、沖縄の自然や海や気候に、できるだけ触れさせたり、母や祖父母に会う機会もつくりたいです。昔から、沖縄には『いちゃりばちょーでー』という言葉があって“一度会えば、みんなきょうだい”という意味なんです。血のつながりは関係なく、みんなで助け合っていこうっていうことなんですが、そういった沖縄の精神を、どこまでかはわかりませんが、子供たちにも感じ取ってほしいと思っていますね」

お子さんと一緒にいて、どんな瞬間がいちばん幸せですか？との質問にも、ほがらかな笑顔で、こんなふうに答えてくれた。

「子供たちが楽しそうにしていれば、それを見ているだけで本当に幸せです。公園で元気に走り回っていたり、おいしいものを食べていたり。おやつの食べすぎで、ごはんを食べずに困ることもあるけれど、いつも笑顔でいてくれたら、それだけでうれしいですね」

PROFILE

女優

仲間由紀恵

1979年10月30日生まれ。沖縄県出身。1995年のデビュー以来、『TRICK』『ごくせん』など多くのヒットシリーズ作に出演。映画『私は貝になりたい』で日本アカデミー賞・優秀主演女優賞を受賞。NHK紅白歌合戦の司会を4度務めるなど、幅広く活躍中。近作にドラマ『相棒』シリーズ、『10の秘密』『24 JAPAN』『女王の法医学～屍活師～』などがあり、音楽番組『MUSIC FAIR』の司会も務める。2022年度前期、NHK連続テレビ小説『ちむどんどん』ではヒロインの母親役を演じた。

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