成熟世代のタブロイドマガジンAdvancedTimeをお手元に
梅雨が早々に明け、厳しい日差しが照り付ける夏がやってきた。バカンスシーズンとも重なるこの季節には、機能性が高くタフなダイバーズウォッチが腕元にこの上なく似合う。今回は本格的なダイバーズ仕様ながら普段使いもできるミドルレンジのダイバーズウォッチをご紹介。
6月下旬に各地で梅雨明けの発表があった。
なんでも今年の梅雨の期間はこれまでの最短記録だったらしい。梅雨が短いということは、その分、暑い夏が長くなるということだ。みんな“涼”を求めて、海やプールや避暑地にバカンスへ出かけることだろう。そんな時に身に着けたいのが、かき氷や花火と同じくらい夏の風物詩であるダイバーズウォッチ。今年は新作モデルが例年になく豊作だ。
腕時計は防水性の進化の歴史といっても過言ではなく、高い防水性能を備えるダイバーズウォッチは機械式時計の人気ジャンルとなっている。今では1万mを超す深海でも耐えうる防水性能を備えるモデルまで登場し、防水性の高めるために堅牢な作りを優先したため、ケースが分厚く大きくなり、重くて悪目立ちするものもある。一方で、近年では防水性能を300mほどに抑え、小径で薄型のサイズ感、シースルーバック仕様、角型ケースなどのダイバーズが登場して、スタイリッシュなダイバーズが増えてきた。こうした特徴を備えたダイバーズウォッチは、100万円以下の、いわゆるミドルレンジの価格帯が狙い目だ。きちんとした実用性は備えつつ、普段使いできるような高級感やエレガントなデザインを持ち、ダイバーズウォッチの選択肢が広がっているのだ。
ここ数年、ダイバーズウォッチの新作が多いのはもうひとつ理由がある。ダイバーズウォッチには水中で安全に活動するための規格が設けられているが、その規格が2018年に改訂され、それに対応したダイバーズウォッチの続々と発表されているためだ。ダイバーズウォッチの定義を簡単におさらいすると、主に100mの潜水に耐える防水性能を備えること、時間を管理するシステム(逆回転防止ベゼル)を備えていること、1.25倍の水圧に耐えられること、あとは視認性、耐磁性などの基準をクリアしている時計であることが挙げられる。新たに更新されたのがダイバーズウォッチの国際規格であるISO6425だ。これまでと違う点は、夜光塗料の塗布の指定、耐衝撃性、耐蝕性。一番わかりやすいのは、夜光塗料の塗布だ。ダイヤルに5分毎に目盛りを備え、それぞれに夜光塗料の塗布を施して暗所での高い視認性の確保が必要となった。それによって、デイト表示を3時位置から移動させたり、デイトの表示窓のすぐ横に小さな夜光付きのインデックスが増えている。そんな最新の基準にアップデートされ、スタイリッシュに進化した最旬のダイバーズウォッチを見ていこう。
2022年はオメガが1932年に初めて防水時計の「マリーン」を商品化してから90年目の年。このシーマスター ダイバー 300Mは2019年にリニューアルされたもので、1万5000ガウスの耐磁性を備えた自社製ムーブメントCal.8800を搭載し、6時位置のデイト表示の下には小さく夜光塗料の入ったインデックスも入る。2018年に更新されたISO6425の規格をいち早く対応したモデルだ。これまでブラックやブルーやグレーの定番カラーを発表してきたが、今年はグリーンセミラックベゼルに波模様に施した光沢あるグリーンセラミックダイヤルを合わせたトレンドカラーの新作モデルを発表。ダイヤル上にさりげなく刻印されたZrO₂とは酸化ジルコニウムのことで、ダイヤルがセミラック製であることを示している。30気圧防水。自動巻き。ステンレススティールケース&ブレスレット。ケース径42㎜。
タグ・ホイヤーは昨年からダイバーズモデルに力を入れいているが、今年は久々の1000m防水のモデルが登場。深海でも目立つ効果的に配したオレンジカラー、耐蝕性を高めるためにグレード5チタンのケース&ブレスレット、堅牢なリューズガード、ダイヤルとベゼルで発光色が異なる夜光などダイバーズウォッチとして高い機能性を実現した。ダイバーズ規格のISO6425には市場流通用とプロ仕様の2種類があるが、このモデルは後者のよりハイスペックな1000mの飽和潜水の装備を持ち、認証もされている。それでいてケースの厚みは15.75mmですっきりとしあげられ、装着性も快適だ。さらにムーブメントにはタグ・ホイヤーのためだけに製造された、話題のムーブメントメーカーのケニッシ社製が初搭載される。1000m防水。自動巻き。チタンケース&ブレスレット。ケース径45㎜。
ISO6425に準拠したダイバーズウォッチの中でも、価格以上に優れた機能性を備えるのがこちらのモデル。厚みのあるサファイアクリスタル風防を採用し、グラデーションを施した波模様は高級感のある仕上がりだ。6時位置のデイト表示の下にもきちんとインデックスを備えて新規格を満たしている。またケースには飽和潜水にも耐えられるヘリウムエスケープバルブを備え、600mの防水性能を持つ。ムーブメントには最長パワーリザーブのパワーマティック 80を搭載し、標準のひげゼンマイよりも耐磁性能の高いニヴァクロンを採用。今年はブラックグラデーションのダイヤルにイエローゴールドカラーを効果的に差し込んだデザインを発表し、着用するシーンを選ばないデザインに仕上げた。60気圧防水。自動巻き。ステンレススティールケース。ケース径46㎜。
スクエアケースのダイバーズウォッチとして2017年にデビューしたBR 03-92 ダイバー。中でもダイバーズウォッチと相性のいいブロンズケースが人気で、これまでブラック、グリーン、ブルー、レッドのダイヤルカラーを展開し、今年はシックなブラウンダイヤルを発表。スクエアケースは気密性を高める点で不利であるが、サファイヤガラスや裏蓋を通常よりも厚くすることで防水性能を高め、ISO6425にも準拠した本格的なダイバーズウォッチとなった。経年変化を楽しめるブロンズケースや、ブラウンダイヤルのデザインは、こんがり焼けた素肌に合うのはもちろん、ファッションとの相性も良く、ダイバーズウォッチの選択肢の広がる1本といえる。世界限定999本。300m防水。自動巻き。ブロンズケース。ケース幅42㎜。
今年からダイバーズコレクションが加わったモンブラン。ダイバーズウォッチとしての標準装備を備え、ISO6425にも準拠する。ダイヤルに5分おきの夜光塗料付きのインデックスがないが、セラミック製の逆回転防止ベゼルに1分ごと目盛りとバーインデックス&アラビア数字に夜光塗料がインサートされ、夜間での視認性も万全だ。文字盤の意匠が特徴的で、グラッテボワゼと呼ばれる古典的な技法で独特な装飾が施されており、結晶のような模様でモンブラン山の北壁に広がるメール・ド・グラース氷河を表現した。ケースバックには海に浮かぶ氷山とそこを泳ぐダイバーが刻まれている。300m防水。自動巻き。ステンレススティールケース&ブレスレット。ケース径41㎜。
●掲載商品の価格はすべて、税込み価格です。
STAFF
Writer: Katsumi Takahashi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
TAGS
『AdvancedTime』は、自由でしなやかに生きるハイエンドな大人達におくる、スペシャルイシュー満載のメディア。
高感度なファッション、カルチャーに好奇心を持ち続け、今までの人生で積んだ経験、知見を余裕をもって楽しみながら、さらなる幅広い教養を求め、進化するソーシャルに寄り添いたい。
何かに縛られていた時間から解き放たれつつある世代のライフスタイルを豊かに彩る『AdvancedTime』が発信する情報をさらに充実し、より速やかに、活用できる「AdvancedClub」会員組織を設けました。
「AdvancedClub」会員に登録すると、プレゼント応募情報の一覧、プレミアムな会員限定イベント、ブランドのエクスクルーシブアイテムの紹介など、特別なコンテンツ情報をメールマガジンでお届け致します。更に『AdvancedTime』のタブロイドマガジンのご案内もあり、送付手数料のみをご負担いただくことでお手元で『AdvancedTime』をお楽しみいただけます。
登録は無料です。
一緒に『AdvancedTime』を楽しみましょう!
vol.023
vol.022
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.021
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.020
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.019
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.018
vol.017
vol.016
vol.015
vol.014
vol.013
Special Issue.AdvancedTime×HARRY WINSTON
vol.012
vol.011
vol.010
Special Issue.AdvancedTime×GRAFF
vol.009
vol.008
vol.007
vol.006
vol.005
vol.004
vol.003
vol.002
Special Issue.01
vol.001
vol.000
成熟世代のタブロイドマガジンAdvancedTimeをお手元に
夏の肌疲れを癒す、アロマのパワー
庭師は極めたいし俳優も学びたい。華道や茶道、陶芸にもトライしたい
「ウェレンドルフ」のジュエリーが魅せる“本物の価値”
シックでクラフテッド、それでいて機能的。新時代を迎えた“ジャパンキッチン”
持ち前の「強さ」に「幸福感」が積み重なり、唯一無二の美しさを放つ──。
永瀬正敏が語る『箱男』。安部公房から直接、映画化を託され、27年間諦めなかった石井岳龍監督と形に。前編
イージー・ブリージーでノイジー。伝統車の快音に心が沸き立つ