沖縄とイタリアが出会う奇跡!「星のや沖縄」の琉球ガストロノミアの世界へようこそ!

~編集部イカメの偏愛ホテル日記~

沖縄の贅を尽くし、圧倒的な非日常の世界へとトリップさせてくれる「星のや沖縄」では今回、古くから沖縄に伝わる伝承野菜のもつ力に着目し、医食同源の知恵を取り入れ、「健やかな美」へと導いてくれるディナーコースを提供。沖縄の豊かな食材とイタリア料理の技法をかけ合わせた、今、ここでしかできない食の体験をリポート。

TRAVEL Dec 25,2025
沖縄とイタリアが出会う奇跡!「星のや沖縄」の琉球ガストロノミアの世界へようこそ!

大人の「目的」旅は美と食をテーマに始まる

世の中に大人の愉しみは数あれど「おひとりさまホテルステイ」ともなると、その最高ランクに位置づけされるのではないだろうか。「ひとりホテルステイ」=最上級の「旅」。旅があるからこそ、また日常を大切にできる。日常があるからこそ、旅がまた楽しみになる。そんな大人の旅好きの間で、移動や観光のための旅ではなく、ある目的のためだけのホテルステイ=「目的」旅が主流になりつつあるのをご存じだろうか?

今回のその「目的」はこれ一択!沖縄ラグジュアリーの最高峰「星のや沖縄」にて、来年2026年2月いっぱいまでしか味わえない期間限定のフルコースディナー。今年の夏に訪れてからというもの、このレストランを訪れるためだけにまた沖縄に行きたい!と恋い焦がれてきたのが「琉球ガストロノミア~Bellezza(ベレッツァ)~」。そのコンセプトはなんと、沖縄の食文化とイタリアンの技を融合させ、食材のもつ力で「健やかな美」へ導くという、まさにここでしか味わえないもの。今回も期待感いっぱいでまずはチェックイン。

「海を眺めて暮らすように滞在する」がテーマの「星のや沖縄」は全室がオーシャンフロント。目の前には1kmもの自然海岸が見渡せ、遠浅の海のブルーと浜辺のサンドベージュがどこまでも広がり、季節を問わずいつでも海を肌で感じられる。荷物をほどいたら、早速プールエリアへ。こちらのインフィニティプールは加温式の通年型屋外プールで、冬期にはあちこちにランタンが配置され、星空を温かいプールサイドで眺められるホットプールに。沖縄といえども冬はさすがに日没も早く、満点の星を見上げながらアペリティフにいただく泡盛はまた格別。さて、そろそろいよいよお目当てのディナータイム。

インフィニティプールの画像
海に向かって開かれたインフィニティプールは一年中24時間利用可能。プールサイドに届く波音も耳に心地よく、星空に夕暮れ時のサンセット、美しい朝焼けと、刻々と変わる景色と豊かな自然を感じられる宿泊客だけの特等席でもある。

ダイニングに一歩足を踏み入れるとまずその天井の高いこと!海と砂浜を思わせるブルーと白を基調とした内装は、すっと心が鎮まるような荘厳な雰囲気で、美食への期待感も最高潮に。すぐそこに海がありながらも窓全体をオーシャンフロントにしていないのは、海を感じながらもこの時間だけはテーブルの上に意識を集中し、食事を心ゆくまで堪能してほしいという思いから。

ダイニングの画像
高さ5mの天井が生み出す開放的な空間は生き物たちが暮らす豊かな海を彷彿とさせる。渦巻くようなシェイプの照明は小魚の大群が回遊する「サーディン・トルネード」をイメージ。沖縄の食材とイタリア料理の出会いをゆったりと堪能できる。

琉球王朝の食医学書に学ぶ「健やかな美」とは?

今回の秋冬限定スペシャルディナーは「沖縄の伝承野菜がイタリア料理と出会う」をテーマにした、全9品からなるコース。沖縄には古くからパパイヤや自然薯など、諸国との交易を通じて根付いてきた食材が存在し、こうした今も親しまれる伝承野菜に、イタリア料理の技法で新たな息吹を吹き込むというのが「琉球ガストロノミア~Bellezza~」ならではのチャレンジだ。

沖縄伝承野菜の画像
亜熱帯特有の気候によって育てられる沖縄伝承野菜のかずかず。琉球王朝時代から伝えられてきた独自の料理文化と地方色豊かなイタリアの技法をかけ合わせて、食材そのもののもつパワーを最大限に引き出し、体の中から美しさを追求する。

さてここで「クスイムン」という沖縄の言葉をご存じだろうか?「クスイムン」とは医食同源の意味で、古く琉球王朝時代の食医学書にその教えがあるという。今回の試みではこの「クスイムン」の考えと「Bellezza(ベレッツァ=イタリア語で美の意)」に着目し、「美」と「食」を見事に融合させている。

食医学書「御膳本草(ごぜんほんそう)」の画像
琉球王府の侍医頭(じいのかみ)によって編まれた食医学書「御膳本草(ごぜんほんそう)」には「クスイムン(医食同源)」=「バランスのとれた食事は薬になる」という教えが説かれており、沖縄には現在も健康や長寿にもつながるその知恵が広く息づいている。

医食同源とガストロノミーの類い希なる共存

さて、ペアリングのワインとともにいよいよコースが始まり、サーブされたのがたとえばこの「青パパイヤのアッルンガータ」という一皿。18世紀に中国から台湾を経て沖縄に伝わったとされるパパイヤは、豊富なビタミンとタンパク質分解酵素を含み、美肌効果も大いに期待できる。その熟す前の青パパイヤのシャキシャキとした食感を生かしつつ、琉球王朝の宮廷料理でも珍重された高級食材・イラブー(ウミヘビ)のブロード(だし)にシークヮーサーを加えたチーズの風味で、ペアリングのロゼワインとも絶妙にマッチ。

「青パパイヤのアッルンガータ」の画像
「青パパイヤのアッルンガータ」
イタリア語で「細長い」を意味するアッルンガータの名が示す通り、青パパイヤをパスタに見立て、沖縄伝統料理のシリシリをイタリアンへと昇華。消化を助けるパパイン酵素を多く含んだ青パパイヤの魅力を存分に引き出して。
ワインの画像
ペアリングのコースではイタリアのワイン中心に90種類以上取りそろえられた中から、国内外のワインに精通したソムリエがセレクト。乾杯からデザートまで、8種のワインとのマリアージュに心ゆくまでひたることができる。

お次は「クーガ芋のキタッラ 軟骨ソーキのラグー」。1000年以上前から沖縄で収穫されてきた「クーガ芋」は自然薯の一種で高い栄養価と強い粘り、甘みが特徴。その滋味深い自然薯を手打ちパスタに練り込み、イタリア中部の郷土料理「キタッラ」に。さらにそこに豚肉の軟骨ソーキのラグーソースを合わせ、ピパーチ(島胡椒)で香り付けし、沖縄食材を絶品イタリアンに仕上げている。

「キタッラ」の画像
イタリア語でギターを意味する「キタッラ」。ギターのような弦で生地を押し切ることで、正方形の断面としっかりとした弾力のパスタが打ち上がる。沖縄伝承の自然薯の粘りが生パスタ特有のもちもちとした食感と相性抜群。
「クーガ芋のキタッラ 軟骨ソーキのラグー」の画像
「クーガ芋のキタッラ 軟骨ソーキのラグー」
「畑のウナギ」とも呼ばれる滋養強壮にすぐれたスーパーフードで、自然薯の一種「クーガ芋」をパスタに練り込み、沖縄の定番でもある軟骨ソーキを煮込んだ濃厚なラグーソースを合わせ、コク深く、食べごたえのある一皿に。
「ニンジンのパンナコッタ 車海老のタルターラ」の画像
「ニンジンのパンナコッタ 車海老のタルターラ」
冬が旬の甘みの強いニンジンを主役にしたコースの始まりの一品。魚介のブロードとともに煮込むことで車海老との一体感が生まれ、甘さと旨味が見事に調和。栄養豊富なβカロテンを多く含んだニンジンは、この季節の恵みそのもの。
「シブイと豚肉のカモミール蒸し」
「シブイと豚肉のカモミール蒸し」
シブイ(冬瓜)と豚肉をカモミールの出汁で蒸した温かい前菜。蓋を開けた瞬間に広がるカモミールの香りが優しい味わいを包み込む。カモミールに含まれるカマメロサイドという成分には、アンチエイジング作用も期待できる。
「アカマチの月桃蒸し サクナとフーチバーのズッパ」の画像
「アカマチの月桃蒸し サクナとフーチバーのズッパ」
沖縄の高級魚、アカマチ(ハマダイ)を香りのよい月桃の葉とともに蒸し上げ、古くから薬草として島人に大切にされてきたサクナやフーチバーなどのハーブをイタリア風のスープ「ズッパ」に仕立て、クスクスとともに味わう。
「島菜のインボルティーニ 牛フィレ肉とヒージャー」の画像
「島菜のインボルティーニ 牛フィレ肉とヒージャー」
メインの肉料理はヒージャー(ヤギ)肉と牛フィレ肉をシマナー(島菜)とともに包んで。低糖質でなめらかな脂質のヤギ肉の魅力を生かした一品をバルサミコや味噌、沖縄特産の田芋(タイモ)のピュレと3種のソースと合わせて。
器やオブジェの画像
コースを通してテーブルを彩る器やオブジェは沖縄の焼き物「やちむん」のほか、地元作家による温もりのある作品。ナチュラルな色合いにマットな表面と、シンプルシックでありながらも力強く、どこか異国情緒を感じさせる。
「ニンジンのズッパ・イングレーゼ」の画像
「ニンジンのズッパ・イングレーゼ」
沖縄伝承野菜のニンジンをシロップで煮込んでコンポートにし、イタリアの伝統菓子「ズッパ・イングレーゼ」に。βカロテンと食物繊維豊富なニンジンの優しい甘さを泡盛が香るスポンジとバニラのエスプーマ(泡)と一緒に味わって。
「ジーマーミとバナナのミッレフォーリエ」の画像
「ジーマーミとバナナのミッレフォーリエ」
メインのドルチェはジーマーミ(落花生)のコク深い味わいを香ばしい生地で挟んだミルフィーユ。キャラメリゼしたバナナにオレイン酸豊富なジーマーミの自家製アイスクリーム、ホワイトチョコレートのソースは琉球シナモンの香りをアクセントに。
「星のや沖縄」総料理長の政井茂氏の画像
「星のや沖縄」総料理長の政井茂氏。素材のもつ可能性をとことん引き出す調理法にこだわりながらも、特有の食文化に見識を広げ、新たな沖縄食材との出会いを大切にした料理を日々探究している。

そのほかにも冬に旬を迎える沖縄伝承野菜のニンジンやシブイ(冬瓜)、古くから貴重な高タンパク源とされてきたヒージャー(ヤギ)を使った料理のかずかずは、島の生命力そのものをいただいているかのような、しみじみとした奥深さ。「ひと株食べると一日長生きする」とされるサクナ(長命草)や沖縄特有のやわらかなよもぎ「フーチバー」など、命草(ぬちぐさ)と呼ばれ、今も暮らしに根付いている島ハーブのほかに、ジーマーミ(落花生)やカラキ(琉球シナモン)など滋養と薬効にすぐれた貴重な沖縄食材を、ヘルシーでありながらひとくちごとに刺激にあふれた、どこまでもフレッシュなイタリアンに仕立てているのがなんとも心憎い。弾けるような沖縄の冬の恵みとパワーを心身ともにチャージしながら、一年の終わりを言祝ぎつつ、すでにして来年の再訪を固く心に誓っているのだった。

お問い合わせ先
「星のや沖縄」
所在地:沖縄県中頭郡読谷村儀間474
電話:050-3134-8091(星のや総合予約)
客室数:100室(チェックイン15時・チェックアウト12時)
料金:1泊170,000円~(1室あたり、税・サービス料込、食事別)
アクセス:那覇空港から車で約1時間(空港リムジンバスあり〈有料〉)
https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyaokinawa/
「琉球ガストロノミア~Bellezza~ 沖縄の伝承野菜 ディナーコース」
期間:2025年11月1日〜2026年2月28日
料金:1名24,200円(税・サービス料込、宿泊料別)
予約:公式サイト(https://hoshinoresorts.com/ja/hotels/hoshinoyaokinawa/)にて前日まで受付
対象:宿泊者

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