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価値を確かめ、後世に名を残す。オークションという選択がある

信頼できる資産継承のすすめ

オークションとは出品アイテムを売却するだけではなく、来歴として所有者の名前を後世に残す行為でもある。時計オークションから見た、落札額だけではないその魅力をご紹介する。

FASHION Nov 17,2025

Rolex Ref.6263
Patek Philippe Ref.3970
Patek Philippe Ref.2526

英国の老舗オークションハウス、フィリップスの画像 — ウォッチを得意とする英国の老舗オークションハウス、フィリップス。日本の独立時計師の作品や、1990年代から2000年前後の時計が注目され、高額で落札されているという。

オークションといえば、入札合戦や高額の落札額ばかりが話題になることが多い。しかし、その本質は出品アイテムの現在の価値を確かめ、名品を未来に繫いでいくことにある。

そこで重要になるのが、「来歴」だ。来歴とはこれまでの作品所有者の遍歴のこと。その中に有名人や目利きの名前があると価値がグンと上がることもある。ここで押さえておきたいのがオークション出品者の有名無名ではなく、アーカイブに所有者として名前が残ることである。作品を手放そうと思った時、買い取り業者相手なら手っ取り早く現金化できるが、作品との繫がりは切れてしまい、次に誰の手に渡るかわからない。しかしオークションであれば、作品を所有したという記録が後世まで残り、同じような志を持つ人の手に渡るのを確認できるのだ。

時計でいうと、最近俳優ポール・ニューマンの所有していたロレックスが想像以上の高額で落札され、時計と共に往年の名優を思い出すきっかけとなった。もっと身近な例をあげよう。今年、日本の伝説的なヴィンテージウォッチディーラーである故・益井敏雄氏が集めた「ヴォガミュージアムコレクション」の一部が、オークションハウスのフィリップスから出品された。死去に伴い、運営していたミュージアムの継続が困難となったが、遺族は同業者への売却ではなく、目録などアーカイブとして記録が残るオークションへの出品を選択した。結果は世界中のコレクターから入札が殺到し、多くの時計がハイエスティメート（予想落札価格）以上で落札されたという。

将来評価が変わるかもしれないので、現在の価値は関係ない。思い入れのある作品があれば、信頼できるオークションハウスに託してみよう。作品と共にあなたの名前は生き続けることになるだろう。