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フランスを代表する高級既製靴として知られる“ジェイエムウエストン”。近年はウィメンズコレクションにも注力する同ブランドの最新アイテムは、バーガンディカラーのレザーを使ったローファーとブーツ。深みのある色合いが秋の装いに映えそうだ。
1891年の創業以来、フレンチメイドの革靴として、自社ファクトリーによる高品質な靴づくりを続けている“ジェイエムウエストン”。ローファーのオリジナル的存在として、1940年代からスタイルを大きく変えていない「シグニチャーローファー #180」を筆頭に、タイムレスなスタイルの靴を数多く展開するブランドとして、メンズファッションの世界では定評がある。そして近年ではウィメンズコレクションも充実。「シグニチャーローファー #180」や「ゴルフ #641」といった定番モデルのウィメンズのほか、ウィメンズ独自の高いヒールを配したヒールドモデル、さらにはサンダルなども展開している。
その“ジェイエムウエストン”24AWウィメンズコレクションにおいて、新色「バーガンディ」のサイドゴアブーツ2種とヒールドローファーが登場。このバーガンディカラーはナイチンゲール、日本ではサヨナキドリ(小夜啼鳥)とも呼ばれる鳥から着想されているという。森の中で、夕暮れどきや早朝に良く通る声で啼くこの鳥は、濃い赤色を尾に持っている。コーディネートの足元にこの色を選ぶ感じは、ナイチンゲールの姿に繋がるものがあるかもしれない。
「ヒールドローファー #940」は、先述した「シグニチャーローファー #180」を再構築してデザインされたモデル。安定感あるボリュームの5.5センチミッドヒールを配したローファーは、女性のワードローブと着こなしやすい、使い勝手の良さがある。パンツスーツなどとはもちろん、スカートそしてデニムの足元でも活躍しそうだ。バーガンディカラーはブラウン系だけでなく、グレイ系やモノトーンの装いにも映える。
「サイドゴアブーツ #705」は、メンズの同モデルのウィメンズバージョン。アッパーは大きな一枚革のパーツを、丁寧にクリンピング(くせづけ)して、足のラインに沿った3次元の曲線を生み出している。また製法もメンズのサイドゴアブーツと同様のグッドイヤー製法。シンプルなスタイルだが、職人による高度な製靴技術が盛り込まれた靴といえる。当初は堅い足入れ感だが、履き重ね、さらにソールの修理なども経ることで、持ち主に馴染んだ一足になる。
さらに「ヒールドサイドゴアブーツ #929」は、「サイドゴアブーツ #705」のスタイルをベースに、9.5センチのヒールを配したモデル。しっかりとクリンピングされたアッパーが足を包むことで、高いヒールながら履き心地は良好。またソールはハーフラバーソールで、歩行時も安定感がある。マニッシュなサイドゴアのデザインと美しい曲線美のヒールとの組み合わせ、さらに丁寧なつくりが実現する流麗なシルエットが、唯一無二の存在感を生み出している。
深みあるバーガンディカラーのレザーは、長い靴づくりの歴史を持つ“ジェイエムウエストン”だからこそ使うことのできる、高い品質のソフトカーフ。それは使い込むことでさらに真価を発揮する素材ともいえる。この印象的な色の靴を、ぜひさまざまなシーン、さまざまな装いで楽しみたい。
STAFF
Writer: Yukihiro Sugawara
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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