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腕時計の新作が多く発表される中で、 変化球ともいえる時計もご紹介しよう。腕時計にはないアイデアの冴えた時計とは?
時計の新作展示会で毎日何十本も腕時計をみていてときどき腕時計以外の時計を見つけると、ついつい心が引き付けられてしまう。決して腕時計に飽きたということではなく、たまに違うものに触れると凝りをほぐしてくれるのだ。それは精巧なギミックを持つクロックだったり、アクセサリーに仕込まれた小さな時計だったりする。腕時計とは違った視座を与えてくれることで、思考のリセットにも役立っている。
まずはペンダントに時計を組み込んだ、シャネルのハイセンスなアクセサリーウォッチをご紹介しよう。
2024年のシャネルは、クチュールのアトリエをテーマとしたカプセルコレクション「クチュール オクロック」を発表。アトリエにある、ハサミ、ピン、メジャーなどの裁縫道具からトルソーまで、ウォッチのディテールに取り入れてユーモラスなタイムピースを展開した。その中にはダイヤモンドのセッティング、ゴールドとオニキスによる造形など職人技のシャネルらしいサヴォアフェールが見てとれる。
ウォッチ以外に、クロックやアクセサリー類もあるが、中でもロングレックレス型のタイムピースにはシャネルの遊び心があふれている。スノーセッティングのダイヤモンドを敷き詰めたゴールド製のトルソー型のペンダントヘッドは、ウエスト部分が可動式になっていて下方にスライドさせると時計が現れる。ブラックラッカーの文字盤にゴールドの針が映える。また同じくロングレックレスのペンダントヘッドに、安全ピンをモチーフにしたモデルはほぼ実物大。安全ピンの下側の丸い穴をよく見ると、ダイヤモンドがセットされた小さな文字盤が備わっている。
シャネルのDNAを感じられるジュエリーであるとともに、時計を溶け込ませるエスプリの利いた発想に脱帽だ。
2017年からパートナーシップを組むオートマタ制作者であるフランソワ・ジュノと協業したオートマタの作品。オートマタとは生物の動きを機械仕掛けで生き生きと動かす技術だ。ヴァン クリーフ&アーペルとの協業ではジュエリーを装飾するので重くなる傾向にあったが、軽量化して動きもより滑らかになった。
新作2点のうち、注目は「ブトン ドール オートマタ」だ。メゾンの伝統的なモチーフである「パイエット」を再解釈し、オンデマンド式のオートマタを作動させると、繊細に束ねられたゴールドのブーケが開く。その中からダイヤモンドの髪飾りにブルーラッカーで縁取られたローズゴールドのガウンを纏った妖精が現れ、プリカジュールエナメルの翼を羽ばたかせながらクルクルと回る様子がなんとも愛らしい。また妖精の登場に合わせて鳴る鐘も内蔵されている。会場ではこのダンスを見るために人だかりができていた。
こうした極小のパーツはお互い触れないように動く設計をしているが、これらはすべて手作業によるアナログの技術というから恐れいる。
フランク ミュラーとS.T.デュポンがコラボレーションし、高級ライターに自社製の機械式ムーブメントを組み込んだ「マスター ライター」。二本の炎が出る本格的なシガーライターで、2年以上の開発を経て完成させた。
このライターは、クル・ド・パリ装飾が施されるボディの両面から時計が楽しめるのが特徴。文字盤がある面はサンバーストギョーシェにエナメル仕上げを施して、時分針で時刻を表示する。スクエア型にフランク ミュラーの特徴であるビザン数字が配置され、コレクションのひとつであるレクタンギュラーケースのロングアイランドを思わせるデザインだ。その裏面には、このライターのために開発した約3日巻きの手巻きムーブメントがセッティングされる。輪列構造がよくわかるスケルトンムーブメントになっていて、中央には秒針を備える。フランク ミュラー初期の作品には表裏に機能を持たせるダブルフェイス文字盤があるが、そのデザインを彷彿とさせる。時間を贅沢に過ごすアイテムとして、機械式時計とライターの融合は、この上なく相性がいい。
オートクチュールデザイナーのイーキン・インと熟練調香師のドミニク・ロピオンとのコラボレーションで、エジェリーからコンセプトウォッチを発表。2時位置にムーンフェイズ表示を配し、オートクチュールドレスを思わせるプリーツ模様を2層のマザー・オブ・パール文字盤で表現。イーキンの白昼夢の世界を表現したライラックカラーで女性らしい色合いに仕上げた。
ストラップは本作のための特別仕様。シルクの糸の間にマザー・オブ・パールの小片を組み込んだ高度な刺繍を施し、ストラップのライナー、ループ、刺繍部分などに香りを凝縮したナノカプセルを染み込ませた。ストラップと肌の摩擦や手首の動きで、このカプセルが弾け香りが放たれるようになっている。この香りはドミニク・ロピオンによって、オゾンノーム、ガルバヌム、ラベンダー、オレンジフラワー、ハニーサックル、イモーテル、チュベローズ、イランイランなど多様な原材料を組み合わせて「時の経過」をイメージした専用の調合を生み出した。まさしく五感で楽しめるタイムピースといえそうだ。
STAFF
Writer: Katsumi Takahashi
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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