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194年もの間家族経営を貫いている稀有なシャンパーニュメゾン「ボランジェ」。彼らが“並外れたグレートヴィンテージ”と表現する「ラ・グラン・ダネ 2015」と「ラ・グラン・ダネ ロゼ2015」が2024年4月30日に発売された。そのお披露目会がザ・リッツ・カールトン東京の「エリタージュ」で行われた。
シャンパーニュ地方アイ村に1892年に創立した「ボランジェ(Bolinger)。195年もの間、家族経営を続けている希少なシャンパーニュメゾンだ。
この地で育つ良質なピノ・ノワール、そしてブドウの栽培から樽作りまでを手仕事で行う、クラフツマンシップにこだわり、140年間英国王室御用達を拝命し続けている高品質なシャンパーニュを生み出している。
そんなメゾンが誇る「ラ・グラン・ダネ」は、「偉大なる年」という名が表す通り、ぶどうの作柄が優良な年のみつくられる特別なシャンパーニュだ。2015年は、前回の2014年ヴィンテージに続く発売となる。
来日した、グローバルセールスディレクターのシリル・ドゥラリュ氏は、今回りリースした2015年について「並外れた年、最高品質のヴィンテージ」だと語る。
多雨の冬を越えた2015年は爽やかな春を迎え、夏は、高温で非常に乾燥していた。その後、収穫前に恵の雨が降ったおかげでブドウは順調に育った。結果、しっかりと熟し、高い凝縮感と酸を備えた果実が実った。
「ラ・グラン・ダネ」も「ラ・グラン・ダネ ロゼ」もブドウは100%自社のグラン・クリュおよびプルミエ・クリュの畑から。
収穫されたブドウ果汁は、まず、メゾンが所有する森林の木から職人が作ったオークの木樽でワインになる。その後、天然コルクをした瓶内で澱とともに7年の眠りにつくのだ。通常の2倍となる長い時間は、ワインの旨みをじっくりと膨らませ、深い味わいを生み出す。
「ボランジェ」のシャンパーニュの個性を作るのは、良質なピノ・ノワールだ。
2015年のブドウは例年よりも突出した力強さを持っていた。そのため、「ラ・グラン・ダネ」のアッサンブラージュはバランスを取り、ピノノワール60%、シャルドネを40%と、シャルドネの比率がこれまでになく高くなったという。
今回、この偉大なるシャンパーニュの日本発売に向けたお披露目会は、ザ・リッツカールトン東京「エリタージュ」で行われた。
「『ラ・グラン・ダネ 2015』は芳醇な香りと力強さ、『ラ・グランダネ・ロゼ 2015』は時間とともに膨らんでいく香りと味わいに魅力を感じました」と語る、「エリタージュ」の料理長・村島輝樹氏。
そんな自身の印象から、最初は順当に『ラ・グラン・ダネ』から始めようと考えていたが、順番を変えて、ロゼから始まるコースに構成を変更。
その理由を、『ラ・グラン・ダネ ロゼ2015』のまろやかで長い余韻を楽しんでから、『ラ・グラン・ダネ 2015』の力強い味わいを感じて欲しいと思ったからだと話す。
なるほど、前菜の鮑に添えた、キリッとした酸味のあるグリビッシュソースに、『ラ・グラン・ダネ ロゼ2015』の酸味が同調することで、奥にあるふくよかさが全面に出てくる。さらに、食べ進めると、少し温度が上がったシャンパーニュが長い余韻で鮑のミネラル感を引き立て、非常に相性がいい。
その後登場した魚料理は、『ラ・グラン・ダネ 2015』のきめ細やかな泡が金目鯛のしっとりとした身を包み、クラシックなヴァンブランソースに、芳醇で魅惑的なシャンパンの持つ力強さが寄り添っていた。
『ラ・グラン・ダネ 2015』、『ラ・グラン・ダネ ロゼ2015』いずれも、単体で楽しむときには、その複雑なアロマと凝縮感のある力強さ、心地よい香りからくるはっきりとした個性を感じる。
一方で、料理と合わせると、すっと身をひいて料理に寄り添い、主役を引き立てるエレガントさも併せ持つ。
背筋が伸びるようなしっかりとした凝縮感もありながらも、飲む側のシチュエーションに柔軟に寄り添うおおらかさもある。
真の強さと、包み込むような寛容さ両方を内包するシャンパーニュ。それはまさに知的な大人が、ゆっくりと楽しむのにふさわしい一本だといえるだろう。
STAFF
Writer: Misa Yamaji
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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