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1000年以上の歴史と独自の文化や言語を持つスペイン・カタルーニャ州は、ヨーロッパを代表する地中海に面した観光地。州都はバルセロナ。歴史的な建造物やガウディの作品群、サルバドール・ダリの博物館をはじめ、カタルーニャ・サーキット、FCバルセロナ(スポーツ観戦)など、旅の魅力にあふれる場所である。なかでも今、注目されているのが、ガストロノミーだ。
カタルーニャ州政府観光局は、「世界ガストロノミー地域(World Region of Gastronomy 2025)」にヨーロッパで初めて選出されたことを記念し、2025年5月26日、ザ・リッツ・カールトン東京にて「Tasty Catalonia World Tour」を開催した。
このイベントは、カタルーニャ州の豊かなガストロノミーと、観光の魅力を広く発信することが目的。カタルーニャ州が「世界ガストロノミー地域(World Region of Gastronomy 2025)」にヨーロッパで初めて選出されたことを記念したもの。
会場には、カタルーニャ州を代表し、世界的にも注目を集める2名のシェフ、カルメ・ルスカイェーダ氏とジョアン・ロカ氏が来場。両名が監修した17品の特別メニューが、国内外の約250名のゲストに振舞われた。
カタルーニャ州政府観光局が提案する「カタルーニャ・グランドツアー」は、バルセロナを起点に時計回りにカタルーニャ全体を周りながら歴史、文化、自然、ガストロノミー、ワインなどの魅力に触れることができる新しいアイテナリー。
今回は、カタルーニャを「17種の小皿料理で巡る旅」という趣向だ。
料理を提供するだけでなく、2人のシェフからは、ガストロノミーの背景にあるカタルーニャの変化に富んだ地形と自然からの恵み、食材、多様な食文化などについても語られた。
「私たちが伝えたいのは、カタルーニャの自然や風景から生まれ、地域の小さな生産者たちを支えながら、他の分野ともつながりながらも、伝統やルーツを大切にし続ける料理です」
地域の独自性や多様性に富み、伝統的なものを尊重しつつ、未来へと進んでいく姿。それはカタルーニャ州と日本に共通するもの。山海の幸に恵まれている日本との共通点も多い。揃って親日家としても知られ、料理に日本の食材を取り入れ、調理法に影響を受けているという。
いくつかの料理と料理に込められたシェフの想いを紹介しよう。
この日の「カルキニョリ」は、ギリシャとローマ、アラブ文化の影響を受け、さらに日本の技術も加わった、カルメ・ルスカイェーダ氏のスペシャリテ。
「カタルーニャには甘いものも塩味のものも含めてコカ(伝統的な平たいパン生地を使った料理)を食べる習慣があります。このひと品は、甘味と塩味を組み合わせた創作コカです。
伝統的なアーモンド入りの『カルキニョリ』の上に、マトチーズ(海水で凝固させたフレッシュチーズ。これは東京で学んだ技術です)を乗せ、その上には、カタルーニャの漁師町・ラスカラで有名なアンチョビのフィレ。さらに、私の地元・マタローの甘口ワインのヴェールでアンチョビを包み、香りと甘さを添えました。ピリ辛のオイルパールがアクセントを加えています」(カルメ・ルスカイェーダ)
今回、17種の料理は小皿料理として提供された。フィンガーフードとして気軽に味わえたが、どれも手間をかけて作られ、味のレイヤーも考えられていて、ガストロノミーのコースのひと皿のように印象に残った。
ジョアン・ロカ氏は、カタルーニャの食材の多様性、自らの出身地ジローナの魅力に触れた。料理に地域の生物多様性を反映させることでも知られ、独自性が表現された『ラクティックデザート』が供された。
「カタルーニャは非常に多様な大地があり、我々の料理に力強さと個性を与えています。私の出身地ジローナでは、海から山までほんの数キロの中に豊かな生物多様性があり、食材は非常に多彩で、組み合わせるのにも優れています。
今日の料理はカタルーニャの自然や景色、そして、それを大切に守っている人たちからヒントを得ています。例えば、『ラクティックデザート』には、リポリェサという在来種の羊のミルクを使っています。革新的な要素として、羊毛の香りを蒸留して風味のひとつとして加えました。こうして、土地、食材、感情がひとつにつながって完成されていくのです」(ジョアン・ロカ)
当日は、カタルーニャ州政府のサルバドール・イリャ首相も初来日し来場。
「カタルーニャが『世界ガストロノミー地域2025』に選出されたのは、ミシュラン星付きレストランに加え、地元の食堂や代々続く家族経営のレストランなど、多様な食の担い手によって築かれた豊かで独自性の高いガストロノミー文化の成果です。
料理は文化を伝える最良の手段であり、旅の記憶に深く残る言語です。カタルーニャではガストロノミー関連産業がGDPの約20%を占め、経済を牽引しています。私共はこの好機に、食を通じた文化発信に加えて、観光・経済・人材交流をさらに深化させていきたい。
今回、私の初の海外訪問先として日本を選んだのも、両地域が「食」をはじめとする価値観を共有しているからです。今後も日本との文化・経済交流をより一層深めてまいります」(サルバドール・イリャ首相)
会場では、カタルーニャ州の位置や気候ほか、旅の情報も紹介。アジア圏の中で最もカタルーニャへの訪問客数が多いのが日本だということも明らかにされた。
カタルーニャの豊かなガストロノミーは日本との親和性も高い。さらに日本との密なる文化交流につながっていくだろう。
STAFF
Writer: Fukuko Hamada
Editor: Atsuyuki Kamiyama
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