タブロイドマガジンAdvancedTimeをお手元に
スコッチウイスキーをじっくり味わい尽くしたいとの思いから、これまでつまみにさほどこだわったことも食中酒に飲んだ経験もない。最近になって食中酒として、シングルモルトウイスキー『タリスカー10年』を使ったスパイシーなハイボールを、肉料理とともに味わう愉しみ方を教わった。ウイスキー通も、アウトドア通もこぞって推してくるので、よほど旨いに違いない。早速『タリスカー10年』と、国産牛の肉厚な赤身肉を用意して、自宅のキッチンダイニングで試してみることにした。
「タリスカー」のシングルモルトは、スコットランドの北、インナー・ヘブリディーズ諸島の最北に位置する大きな島、スカイ島のタリスカー蒸留所で生み出されている。ここはモルト好き憧憬の地であり、文学ファンにはヴァージニア・ウルフの小説「灯台へ」の舞台として記憶されていることだろう。かつてスカイ島を“天空の島”と誤訳していた。スカイはゲール語の「翼」に由来し、上空から見ると翼を広げたような形状をしていることからこの名がついたのだという。「ミストアイランド(霧の島)」と呼ばれる厳しい海洋性気候の島ゆえに、絶えず海から風が吹き込む荒々しさもあるが、絵画のような町並みと険峻な山岳地形が相まって神話的な絶景を作り出し、世界中から観光客が多く訪れる。
タリスカー蒸留所は約200年前から、島の西部にある汽水湖、ロッホ ハーポートの入り江に佇む、島内で最も歴史ある蒸留所だ。歴史を紐解くと。1827年、スカイ島にやってきたヒューとケネスのマカスキル兄弟によって1830年に生産が開始されたと記される。タリスカーとは古代ノース語(バイキングの言葉)で“Thalas Gair(傾いた大岩)”という意味があるという。
興味深いのはタリスカー蒸留所のヒストリーが順風満帆ではなかったということだ。所有者は何度も変わり、戦時中には廃業の危機に瀕したこともあった。それでも、険しい道を乗り越えて、今もなおタリスカー蒸留所はこの地に建つ。この場所がスコッチウイスキーづくりに最適な土地であることの証明であり、スコッチウイスキーの聖地と冠されることもまた必然であろう。
厳しい自然と海が育んだタリスカーは、潮風のような香りと黒胡椒を思わせるスパイシーな味わい、焚き火の煙のようなスモーキーさを持つ、複雑で個性的なシングルモルトウイスキーだ。熱烈なファンが多く、1883年に刊行された冒険小説『宝島』の著者ロバート・ルイス・スチーブンソンも「King of Drinks(酒の王様)」と評したほど、長く愛され続けている。
そのプロセスも独特だ。中でも特徴的なのが香りと味わいを決める、3つの蒸溜技術で、これは1830年から変わらぬ伝統製法だ。発酵は旧式で、オレゴンパイン製の発酵槽で行い、乳酸菌による乳酸発酵を促進させる。発酵時間も通常50時間程度のところ約70時間かけることで、あの独特のフルーティーな香りと味わいがつくられる。また、蒸留には単式ポットスチルを使用し、初留釜で蒸溜された蒸気のうち、重い気体はU字のライパイプの先にある精留器を通り、再び初留釜の中に還流される独特の仕組み。気化と液化を繰り返すことでよりクリアな初留液が生まれるのだという。蒸気を冷却する装置には、スコットランドでも現在12の蒸留所しか採用していないクラシックなワームタブを使用し、蒸気をゆっくりと液化していく。この昔ながらの行程も、タリスカー独特のキャラクターを生み出すといっていいだろう。
「タリスカー」のすべてのラベルに書かれている「MADE BY THE SEA」は、蒸留所のクラフツマンのスカイ島の自然、海への深い感謝の意であり、その自然を体現したシングルモルトであることを示す言葉でもある。
話をタリスカー スパイシーハイボールと肉料理とペアリングに戻そう。
まずはタリスカー スパイシーハイボールを作る。1:氷を入れグラスを冷やす。氷から溶けた水は捨てる。2:「タリスカー10年」または「タリスカー ストーム」1に対してソーダを2~3の割合でグラスに注ぐ。ソーダを氷に当てないことが鉄則。3:タリスカーの風味を逃さないよう、かき混ぜないで混るのを待つことがポイント。ウイスキーとソーダの比重の違いで自然に混ざるが、大きいグラスを使う場合は1回ステアする。4:粗挽き黒胡椒を氷に振りかける。『タリスカー オリジナルペッパーミル』なら、胡椒の粒が大小さまざまにバランスよく挽け、黒胡椒の風味がより豊かに感じられる。美味しく作るコツは、「氷に当てない」「かき混ぜない」これだけである。
肉は、塩、胡椒だけで味をつけたビーフステーキがよく合う。少々噛みごたえを残して、ミディアムレアの焼き加減が理想的。熟成肉と合わせれば、肉本来の香りとタリスカーの香りが口の中で溶けあう至高の味わいに。『タリスカー スパイシーハイボール』は、黒胡椒の風味が肉の味わいを引きたてるだけでなく、炭酸が口の中の脂をさっぱりとさせる。
先述したように、キャンプでは、香ばしく焼き上げたバーベキュー食材との相性も抜群。調味料や隠し味としても使っても、よりいっそう旨みを堪能できるという。
輝くようなゴールドの色と、ほのかな海水の塩、生ガキそして柑橘系の甘みを感じさせる、力強いピートのスモーキーな香り。そして煙るようなモルトの香味をともなう、ドライフルーツの甘み。さらにのどの奥にペッパーの香りを感じるフィニッシュも食欲をそそる。
「タリスカー スパイシーハイボール」はタリスカーの特徴をさらに際立たせ、シングルモルト好きにとって最高の食中酒といえそうだ。
タリスカー 10年(200ml)1本と、タリスカー オリジナルペッパーミル(非売品)、燻製黒の燻製を3名様に抽選でプレゼントいたします。
■締め切り:2023年12月24日(日)23:59まで
ご応募いただくには小学館IDへのログインが必要です。是非、小学館IDへ会員登録(無料)の上、ご応募ください。
STAFF
Writer:Ando Masahiro
Editor:Atsuyuki Kamiyama
TAGS
『AdvancedTime』は、自由でしなやかに生きるハイエンドな大人達におくる、スペシャルイシュー満載のメディア。
高感度なファッション、カルチャーに溺愛、未知の幅広い教養を求め、今までの人生で積んだ経験、知見を余裕をもって楽しみながら、進化するソーシャルに寄り添いたい。
何かに縛られていた時間から解き放たれつつある世代のライフスタイルを豊かに彩る『AdvancedTime』が発信する情報をさらに充実し、より速やかに、活用できる「AdvancedClub」会員組織を設けました。
「AdvancedClub」会員に登録すると、プレゼント応募情報の一覧、プレミアムな会員限定イベント、ブランドのエクスクルーシブアイテムの紹介など、特別なコンテンツ情報をメールマガジンでお届け致します。更に『AdvancedTime』のタブロイドマガジンのご案内もあり、送付手数料のみをご負担いただくことでお手元で『AdvancedTime』をお楽しみいただけます。
登録は無料です。
一緒に『AdvancedTime』を楽しみましょう!
vol.024
vol.023
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.022
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.021
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.020
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.019
Special Issue.AdvancedTime×ROLEX
vol.018
vol.017
vol.016
vol.015
vol.014
vol.013
Special Issue.AdvancedTime×HARRY WINSTON
vol.012
vol.011
vol.010
Special Issue.AdvancedTime×GRAFF
vol.009
vol.008
vol.007
vol.006
vol.005
vol.004
vol.003
vol.002
Special Issue.01
vol.001
vol.000
タブロイドマガジンAdvancedTimeをお手元に
夏の肌疲れを癒す、アロマのパワー
ロイヤルの気品、アスリートの美筋、無邪気な笑顔のニコラス・ガリツィン。完全無欠な年下彼氏の妄想に浸る
「ウェレンドルフ」のジュエリーが魅せる“本物の価値”
シックでクラフテッド、それでいて機能的。新時代を迎えた“ジャパンキッチン”
持ち前の「強さ」に「幸福感」が積み重なり、唯一無二の美しさを放つ──。
2024年はまだ終わらない!秋の新作ウォッチ
箱根の我が家で至福の秋に身を任せて「ハイアット リージェンシー 箱根 リゾート&スパ」
タブロイドマガジンAdvancedTimeをお手元に
静寂のサンクチュアリへ「バンヤンツリー・東山 京都」
箱根に登場したラグジュアリーなヴィラ「箱根リトリートföre & villa 1/f(フォーレ&ヴィラ ワンバイエフ)」
海を愛する食通が唸る!「Restaurant UMITO Akasaka」で、旬の海の幸が活きる“モダン和食”を
AdvancedClub 好評に終わった京都・町家エリアでの「長く愛せる家具と季節を感じるデザート」イベントをレポート!