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歴史を誇る揺るぎないトップジュエラーが威厳をもって構えるハイジュエリーの世界で、新境地を開いたと言っても過言ではないヴァレリー・メシカにインタビュー。 ファインジュエリーではダイヤモンドの民主化を進めたいと話す。錚々たるセレブリティたちから愛される魅力とは?
ダイヤモンドの信頼のおけるクオリティの高さと精緻なデザインで、世界中の大人の女性たちの人気を集める“Messika(メシカ)”。 2005年にパリで創業し、ファインジュエリーは2020年に日本に上陸。大人の女性たちの人気を集めています。一方で世界中のセレブリティに愛されているハイジュエリーは、 高感度なデザインとクラシカルな気品を帯びる作品の数々で、錚々たるセレブリティたちを魅了し、圧倒的なオーラを放っています。
大胆かつ遊び心に溢れたこれまでにない贅沢なハイジュエリー。“Messika(メシカ)”のハイジュエリーは、レッドカーペットやステージに立つセレブリティたちから今、最も熱視線を浴びていると言っても過言ではないだろう。今年2月に行われた第57回スーパーボウルのハーフタイムショーで、アーティストのリアーナが着用し、話題となったのは記憶に新しい。
——古代エジプトからインスピレーションを得たというダイヤモンドジュエリーは、神秘的でゴージャス、そして自由で大胆。まるで映画の世界の中から飛び出してきたようで、とても感動的でした。古代エジプトを選んだ理由は?
感動した!世界観に没頭できた! という言葉は最高の褒め言葉です。ありがとうございます。私にとって古代エジプトはワープするかのように引き込まれました、と表現するのが正しいでしょう。
古代エジプトを学んでいるうちに、そのエネルギーや価値観において、Messikaと共通点を見つけました。この時代はとてもモダンで男性と女性が平等でジェンダーレスな傾向があり、今の時代の潮流に合っていると感じたのです。今回のコレクションではイエローゴールドを多く使用しているのですが、私は男性にもこれらのジュエリーを楽しんで欲しいと思っています。
次に、古代エジプトのカートリッジに書かれたヒエログリフのメッセージがMessikaのファインジュエリーのアイコン『ムーヴ』に似ているということも発見しました。そういったことから古代エジプトのパワフルなエネルギーや神話性を、ハイジュエリーで表現することにしたのです。
——Messikaのジュエリーが多くのセレブリティに愛される理由のひとつに、他にはないユニークで革新的なダイヤモンドジュエリーであるという点が挙げられると思います。特に33カラットのダイヤモンドを使用したファラオニックな『アック・バー・カ』と『ムーヴ イコニカ』の存在感には圧倒されました!
今回のコレクションを代表するピースを上げるならば、まずは『アック・バー・カ』でしょう。弟が購入した110カラットの透明度の素晴らしいダイヤモンドの原石に出合い、そこから15石のダイヤモンドを取り出して、ひとつのジュエリーへと完成させる非常にチャレンジングなクリエイションでした。Messikaの歴史においても、トレーサビリティーにおいても、ジュエリーの価値においても比類なきものです。スーパーモデルのナオミ・キャンベルさんが着けてくださったという、個人的にも思い入れの深いものなんです。
ブランドの象徴『ムーヴ』を初めてハイジュエリーに取り入れた『ムーヴ イコニカ』も愛着のあるものです。メゾンとしても長期的にアイコンとして残るものだと考えています。
——ダイヤモンド商の父を持ち、子供の頃からダイヤモンドをおはじきのようにして遊んだという逸話が有名ですが、“特別なシーンだけでなく、デイリーにダイヤモンドを身に着けてほしい”と伺っています。そのジュエリーは“ダイヤモンドタトゥー”とも称され、日常にフィットするものばかりですが、そのコンセプトは?
私たちと共にする職人は挑戦が大好きです。“タトゥーのようなダイヤモンド”というコンセプトをとても大切にしていますが、それは肌に密着する、服のように身に纏えるダイヤです。石として卓越したものにこだわりながら、動きや柔軟性でどのように体にフィットさせるか…、今回のコレクションはそういう意味でも、とてもチャレンジ度が高かったように思います。形を変え、自由自在に動いて首にフィットするイエローゴールドのチョーカー『ディバイン エニグマ』は、まさに私たちのコンセプトを体現するものです。
私はダイヤモンドを脱神聖化し、民主化したいと思っています。石が小さかろうが大きかろうが、美術館の保管庫に預けず、何度も何度も身につけてもらいたい。そのために、着こなしの幅を広げるフレキシブルなデザインも心がけています。この『ディバインエニグマ』は、中央のダイヤモンドを外せばシンプルなチョーカーにもなります。そしてダイヤモンドはリングとしても使うことができるんです。
——ふたりの娘さんに捧げたコレクション『ムーヴ ノア』『ムーヴ ロマーヌ』のバングルを肌身離さず身につけていますね。
幼い頃からダイヤモンドに囲まれて育ってきたので、私にとってダイヤモンドは神聖なものではなく、自由・エネルギー・愛・感動の象徴だと思っています。身につける人をより美しく輝かせ、自信を持たせてくれます。その私が考える価値観を多くの女性伝えたいと思い、ブランドを立ち上げました。そのために、①ダイヤモンドを中核にすること。②ダイヤモンドの輝きにオマージュをささげるようなプロポーションと技法。③肌に吸い付くような落ち感のある柔らかいデザイン。④心地よくラクに身に纏えること。の4つの信条を持ち、クリエイションを続けています。
——“ロックンロール魂”とよくおっしゃいますね。その気概は、伝統と格式あるパリのダイヤモンド業界に斬新なデザインで挑戦することからも伝わってくるようです。
ロックンロールな女性にとても惹かれるんです。例えばMessikaのジュエリーを着用してくれたケイト・モス。先進的でチャレンジング、時として転んでしまうような困難にあったとしても立ち上がって前に進む力強さ。そして感受性豊かで繊細。彼女のそんな面に、ロックンロール魂を感じるのです。タイムレスとモダニティ、力強さと繊細さ。相反するものの両立を目指すMessikaのジュエリーもロックンロールと言えるでしょう。音楽で言えばレニー・クラヴィッツよ!(笑)
女性たち、空を舞う鳥、音楽、美術、ファッション、建築…。筋肉と同じで、鍛えれば鍛えるほど、目や感覚を研ぎ澄ませば研ぎ澄ますほど、生活のすべてのものが無意識のうちにインスピレーションとなってアイディアにつながります。私はまずデザインするときに、まず石を見て、石を感じます。そうすると石がこのようにデザインせよ!と命じてくるのです。
——ではダイヤモンドが持つ品格さとエッジの効いたデザインを両立するために工夫していることはありますか?
タイムレスさや普遍的なものはダイヤモンドが本来もっているものです。そしてモダンさや洗練されたフォルムは、職人の卓越した手法や技法が叶えるものだと。このふたつの要素をいかに組み合わせるかを常に念頭においています。その両立によって、ひと目でメシカのものだとわかる特徴的なジュエリーがクリエイションできると信じています。
ダイヤモンドをリスペクトしつつも、ルールに囚われず自由。そんな心意気も名だたるセレブリティに愛される理由なのかもしれないですね。
——今後の展望は?
私自身の財団を通して社会貢献をしたいと思っています。
女性の社会的地位や自立は私の思考の中心にあり、いつでも創作活動の原動力になっています。さまざまな形で女性たちをサポートしたいという思いから、2021年にヴァレリー・メシカ財団を設立しました。
メゾンとしても個人としてもここ数年たいへんな幸運に恵まれました。その恩返しをしなければならないと考えていました。私にもふたりの娘がいますが、彼女たちが将来の希望を持てる社会をつくることに貢献したいのです。そのためにも、今まで行ってきたことを丁寧に続け、ダイヤモンドで社会に夢をもたらしたいと思っています。
ヴァレリー・メシカ/Valerie Messika ブランド創業者、クリエイティブ・ディレクター。 ダイヤモンド業界でその名を知らぬ者はいないアンドレ・メシカの娘、ヴァレリー・メシカ。ダイヤモンドへのリスペクトという価値観は父から娘へと受け継がれ、2005年に自身のメゾン「Messika」を設立。創業から10年足らずでパリのサントノーレ通りに初のフラッグシップショップを構える。本人もパリのセレブリティとしてそのライフスタイルに注目を集めている。
STAFF
Text: Hiroko Fujiki
Conposition: Kyoko Seko
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