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弾ける笑顔と透明感は、年齢を重ねてさらに輝く

俳優

牧瀬里穂

今も昔も、これほどまでに笑顔が変わらず、美しい人がいるだろうか。NHKの連続テレビ小説「らんまん」でもその変わらぬ美貌と存在感が話題となった牧瀬里穂さんの現在進行形とは？

LIFESTYLE Nov 10,2023

やらない後悔よりも、やった後悔のほうがいい

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ありがとうございます！
取材中、何度この言葉を聞いただろう。ときにほがらかに、ときにちょっと照れながら、牧瀬里穂さんが発する「ありがとう！」は、驚くほど自然で、エレガントだった。

1989年、山下達郎の「クリスマス・イブ」が流れる、JR東海「クリスマス・エクスプレス」のCMで脚光を浴び、ドラマや映画、ＣＭ、舞台と活躍。唯一無二のその笑顔と透明感は、当時も今も変わらない。

「ありがとうございます。当時は17歳、キラキラしていたと思います。今は年齢も重ね、憧れのパリマダムに近づきたいと思っています。（笑）」

おおらかでチャーミング、からりとして、竹を割ったような性格。周囲からはそう言われるが、自身が思う自分は、そうではないらしい。

「自分ではすごく悩んだり落ち込んだりしていると思うんですが、どうやら２、３秒で切り替わってしまうようで。フットワークも重いほうだと思っていましたが、軽いようで…」

茶道にヨガ、ピラティス。日本舞踊や着付け、歌舞伎鑑賞と、多趣味で知られる牧瀬さんだが、多忙なスケジュールの中、どのように時間をやりくりしているのだろうか。

「決して器用なタイプじゃないんです。だから、周囲を頼ったり甘えたりもしています。年齢を重ねて、体力も気力も若いころのように無理はききません。自分の体と心をすこやかに保ちつつ、頑張るときは思い切り頑張るし、そうでないときはゆるめておく。そのバランスの配分は、昔より上手になったと思います」

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10代でデビューして、右も左もわからず、いきなりスタートダッシュを切った。ひとつひとつの仕事を無我夢中で走り続け、20代後半にふと「このままではダメだ、地に足のついた暮らしをしよう」という思いがよぎり、30歳で海外留学を決意。カナダへと旅立ち、周囲を驚かせた。

「不安だらけでしたが、もし後悔するなら、やらない後悔より、やった後悔のほうがいい。やるか、やらないか。１と０の間には、ものすごく大きな差があると思うんです。私自身、たとえば習い事にしても、すべて続けているかといえばそうではありません。トライしたけれど数回でやめてしまったものもあります。自分に合う合わないや、楽しかったけど縁がなかったかもという実感は、経験したからこそわかること。挑戦すること、体験することにこそ、意味があると思っています。何より、海外留学を通して、それまでいかに自分がたくさんの人に守られ、頼って生きてきたのか知りました。ひとりで頑張ってきたわけじゃない。周囲あっての、私。なんてありがたいんだろうって。一方で、好きなものを着て、食べて、自分らしく生きること、自らの頭で考え、自分のペースを保つ大切さも、痛感しました」

感謝と、リスペクト。15年目に突入した結婚生活も、感謝と信頼をベースに、おたがいを尊重し、好きなことをやるのがうまくいく秘訣かなと大きく笑う。変わることのない、飾らないビッグスマイルは、今も昔も、周囲を明るく照らし続ける。

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